リアルなタイヤの再現にこだわった、ジムニー専用タイヤ型ドリンクホルダー
ジムニーの送風口に小さなオフロードタイヤが並んでいたら——そんな遊び心のあるアイテムが話題を集めています。それが、星光産業株式会社が手がける「E135JM タイヤドリンクホルダー」です。スズキ ジムニーのエアコン送風口にぴったりフィットして、閉じているときはオフロードタイヤそのもの。使うときはくるりと開いてドリンクホルダーとして使えます。今回は、暮らしとくるま編集部が、開発に携わった越智さん、中島さん、川名さんへインタビューしました。タイヤ型のドリンクホルダーが生まれた背景から、商品化までの試行錯誤、そして初披露した東京オートサロンでの反響まで、たっぷりとお話を伺いました。
目次
ジムニー専用品とタイヤモチーフ誕生のきっかけ
―本日はよろしくお願いいたします。まず、ジムニー専用商品を手がけるようになった経緯を教えてください。
もともとは汎用品を中心に展開していましたが、カー用品市場の車種専用品へのニーズの高まりを受け、プリウスやアクア、ノア・ヴォクシーといった人気車種の専用品を手がけるようになりました。次に取り組む車種を検討したときに、新型ジムニーの人気の高さに注目したんです。ジムニー好きの開発陣の熱い声も後押しとなり、2019年秋に、ジムニー専用の第一弾商品を発売しました。
suzuki公式サイトより引用
―第一弾ではどのような商品を展開されたのですか。また、発売後の反響はいかがでしたか?
最初はスマホホルダーやUSBポートのような、いわゆる売れ筋カテゴリーを中心にラインアップしました。
ところがフタを開けてみると、一番売れたのはラゲッジドアの配線カバーでした。
想定を上回る人気を集めたラゲッジドアの配線カバー(EE-219 リアデフォッガーカバー)
配線カバーは、細かいニーズに対応するものなので、そこまで注目していた商品ではなかったのですが、結果、そこで「ジムニーユーザーは、自分たちの想像以上に細かな部分にこだわりがある」と実感しました。それ以来、ジムニー向けの商品では「あるとうれしい」と感じてもらえるような個性的なアイテムにも積極的に取り組むようになりました。
“タイヤはかわいい! ”という発見
―個性的なアイテムと言えば、今回のタイヤ型のドリンクホルダーもですよね。どのような経緯で生まれたのでしょうか?
実は、タイヤをモチーフにしたカー用品としては、灰皿が先に展開されていたんです。社内では、タイヤのリアルさを追求したチャレンジングな商品ととらえていたのですが、イベントでお披露目したときに予想以上に人気で。それも、喫煙者だけではなく、女性やお子さまが「タイヤがかわいい!」と言って、小物入れとして買ってくださることが圧倒的に多かったんです。
リアルなタイヤシリーズとして最初に発売されたED-244 タイヤアッシュ
“かわいい”と反響のあった小物入れとしての使用イメージ
徐々に増えていったタイヤシリーズ
それを見て、開発担当も「タイヤってかわいいんだ」と新たな認識が生まれました。それから、スマホスタンドやリアワイパーキャップなどのタイヤ型の商品ラインアップが増えていきました。
―今回のジムニーとタイヤ型の商品シリーズを掛けあわせたドリンクホルダーには、どのようにたどり着いたのですか?
ジムニー専用品として次に何を出そうか、と考えていたときにふとエアコンの送風口を見たんです。ジムニーの送風口って丸いですよね。その丸い形がタイヤに見えて(笑)
「送風口がタイヤデザインだったら、こだわりのあるジムニーユーザーに喜んでもらえるのでは?」と、既存のタイヤアイテムをあてがいながら話したところ、他の開発メンバーにも賛同してもらえて。そこから検討がスタートしました。
―タイヤ型のドリンクホルダーの特徴を詳しく教えてください。
最大の特徴は、使わないときに“タイヤそのもの”の見た目になることです。送風口に装着すると、まるで小さなスペアタイヤが並んでいるような存在感があります。必要なときだけ手前に開き、ドリンクホルダーとして使用できます。
見た目の遊び心が強いアイテムですが、コンビニコーヒーや600mlペットボトルにも対応しており、実用性もしっかり確保しました。
―“タイヤそのもの”の見た目にするために、どんなところにこだわったのですか?
ジムニーユーザーに好まれている“オフロードタイヤ”に見せることに、とことんこだわりました。
大前提としてタイヤと同じように“丸に見える”こと、そしてタイヤの溝のパターン(模様)を1周ぐるっと入れる、さらにタイヤ側面にホワイトレター(白字文字)を入れることなどです。
それから、デザインだけでなく機能面との両立にこだわりました。具体的にはさまざまなサイズのドリンクに対応できることや開閉のしやすさ、頑丈さなどですね。
開発現場で重ねた試行錯誤
―開発を進める中で、デザイン面で苦労した点はどこでしたか?
「タイヤ」を名乗る以上、シルエットが丸くなければいけません。でも、開閉式にすると、ヒンジ(ちょうつがい)部分が外側に出っ張ってしまい“後付け感”が出てしまうんです。ヒンジをタイヤの内側に納めて丸いシルエットをつくるために、ヒンジの軸の長さや太さ、位置を細かく調整するのが本当に大変でした。
キャプ:タイヤ形状の中に収まるよう工夫されたヒンジ部分
また、ホワイトレターは印刷するだけに思われるかもしれませんが、曲面のタイヤ表面にプリントするので位置調整が難しく、何度も印刷と位置調整を繰り返しました。でも、平らな面にしてしまうとタイヤらしさが失われてしまうので、譲れないポイントでした。
曲面に印字されたホワイトレターと切れ間の無い溝の模様
―“タイヤらしさ”を突き詰める上でも、難しさがあったんですね。機能面でも苦労されたポイントはありますか?
送風口への取り付け方ですね。
送風口自体が斜めになっているので、そのままだとドリンクホルダーも斜めに傾いてしまうんです。そこで角度を調整し、垂直に近づけました。さらに、開閉するときの固さは固すぎず、かつ、ガタつかないバランスを追求しました。
―ホイールのデザインもこだわりがあるのでしょうか?
実は、ホイールは、ユーザーの好みに合わせて、交換していただける仕様になっています。
デザイン制作中の写真
特に、2種類のデザインのひとつ、ブロンズカラーのホイールは狙った色味がなかなか再現できなくて苦労しました。今のトレンドの色味なのでどうしても再現したくて、工場とのトライアンドエラーの末に、ようやく納得のいく色を実現できました。
―まるで本当のクルマをカスタムするときのようなこだわり具合ですね!
東京オートサロンで迎えた発表の瞬間と手ごたえ
―サンプルが完成し、東京オートサロン2026に参考出品されたそうですね。
はい。7か月ほどかけて完成したサンプルを、参考出品という形式で展示しました。正直、期待半分、不安半分でしたが、思っていた以上に反響が大きくて自信につながりましたね。このときはまだ発売していなかったので、来場された方々から「早く欲しい」というお声をたくさんいただきました。
開発を振り返ってみて手ごたえとこれから
―発売後の反響はいかがですか?
おかげさまで、ネットでも、オートバックスでもご好評いただいています。
―最後に、みなさんへのメッセージをお願いします
今後もジムニー専用品には力を入れていきますので、新しいアイテムの発売を楽しみにしていてください。「こんなものがあったら便利」「こんな遊び心のあるアイテムが欲しい」といった声は、私たちにとって大きなヒントになります。ユーザーの皆さんと一緒に、ジムニーライフをもっと楽しくできる商品をつくっていけたらうれしいです。
ジムニーが集まるイベントで専用アイテムは注目を集めていた
“遊び心を形にする難しさ” ―― 開発ストーリーから見えた想い
今回の取材で印象的だったのは、「送風口がタイヤに見えた」というアイデアを形にする“発想力”と“実現力”です。丸いシルエットやホワイトレターなど細部への徹底したこだわりからは、ユーザーに喜んでもらいたいという開発陣の熱意が伝わってきます。遊び心と機能性を両立したタイヤドリンクホルダー。ユーザー視点を大切にしたこだわりのものづくりを続ける姿勢が感じられました。今後はどんなアイテムが登場するのか、ますます楽しみです。
左から順に越智さん、川名さん、中島さん
E135JM タイヤドリンクホルダー商品情報
| 品番 | E135JM |
| 対応車種 | スズキ ジムニー(JB64W系)・ジムニーシエラ(JB74W系)・ノマド(JC74W系)専用 |
| 設置方法 | エアコン送風口取付け式 |
| 対応サイズ | 細缶、太缶、600mlまでのペットボトル、コンビニコーヒーカップ 他 |
| カラー | ホイール部はブラック/ブラウンの2種付け替え可能 |
| 入り数 | 1個入り |
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