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公開:2022.12.15

車道に描かれている「自転車ナビマーク」と「自転車ナビライン」の意味は?

最近、都市部の道路を走っていると、車道の左側端に自転車のマークや、白色または青色の矢印が描かれているのをよく見かけます。このマークは自転車に関するものと何となく知っていても、意味を正確に答えられる人は意外と少ないかもしれません。自転車が交通事故に関係する割合は年々増える傾向にありますので、ここで自転車に関連する道路標示や標識の意味をしっかり確認して、交通安全に役立てましょう。

目次

自転車が関わる交通事故が増加しています

みなさんは、日々の生活の中で自転車に乗ることもあると思います。自転車は気軽に乗れて便利な反面、そばを通る自動車や歩行者にぶつかりそうになって「危ない!」と感じた経験を持つ方も多いはず。

近年、全国的に自転車が関係する交通事故の割合が増える傾向にあります。特に、東京都では、2021年に発生した交通事故の43.6%が、自転車が関係しているものだと警視庁から発表されました。

 

「交通事故全体に占める自転車関与事故の割合(都内)」

 

自転車は道路交通法上、軽車両(※)と位置付けられており、歩道と車道の区分があるところは原則、車道の左側を通行するように定められています。例外的に歩道を通行するときは、歩行者優先で車道側を徐行します。違反すると罰則(3か月以下の懲役または5万円以下の罰金)が科せられます。

自転車に乗るときの原則である「自転車安全利用五則」を守って、安全運転を心がけましょう。

※軽車両とは自転車、リヤカー、牛馬などを指します。

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自転車は、車道と歩道の区別があるところは、原則、車道通行で道路の左側を通行します

車道に描かれている自転車マークや矢印は何?

自転車の安全な通行を促すために、警視庁は、車道の左側端に「自転車ナビマーク」や「自転車ナビライン」の設置を推進しています。自転車マークと白色の矢印で描かれているのは「自転車ナビマーク」、青色の矢印で交差点付近に描かれているのは「自転車ナビライン」といいます。

「自転車ナビマーク」や「自転車ナビライン」は、自転車が通行すべき部分や方向を明示するもの

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「自転車ナビマーク」や「自転車ナビライン」は、自転車の運転者や自動車ドライバーに対し、自転車の通行方法を分かりやすく周知し、実効性を高めることを目的として設置されています。これは、新たな交通方法や罰則を定めた道路標示ではなく、「自転車はこの場所を、この方向に進んでください」というヒントのようなものです。

自転車優先を示すものではないので、通行する際には、自動車や歩行者など周囲に十分注意しましょう。

 

また「自転車ナビマーク」や「自転車ナビライン」の上は、自動車やバイクが通行しても違反にはなりませんが、通行している自転車に十分注意して安全運転を心がけましょう。

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自転車に乗っているときに停車車両を追い越す場合は、後方の安全を十分に確認してから停車車両の右側を走るのが原則です。また、ドライバーは、このようなケースを想定して前方の状況をよく注意しながら運転しましょう

「普通自転車専用通行帯(自転車専用レーン)」は、法令で定められた通行帯

「自転車ナビマーク」や「自転車ナビライン」と混同しやすいものとして「普通自転車専用通行帯」があります。これは車道の左側端に設けられた自転車専用の通行帯のことで、「自転車専用通行帯」や「自転車専用レーン」などと呼ばれることもあります。

「普通自転車専用通行帯」は法令で定められた通行帯なので、標識とセットで表示されています。例外はあるものの、原則、自転車はこの通行帯以外を通行することはできません。

 

また、自動車やバイクでの進入は原則できません(左折時や一時的な停車の場合は進入可能)ので、道路標示をしっかり確認しましょう。

 

※普通自転車とは下記の条件を満たした自転車のこと
・車体の大きさ、長さ190cm以下・幅60cm以下
・車体の構造は側車を付していないこと、運転者以外の乗車装置を備えていないこと(幼児用座席を除く)
・制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること
・鋭利な突出部がないこと

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車道の左側端に青色でペイントされた部分が「普通自転車専用通行帯」

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「普通自転車専用通行帯」の標識。ここは自転車を含む軽車両が通行できます

いつでも交通ルールやマナーを守って安全に

今回は自転車に関連する道路標示や標識として「自転車ナビマーク」、「自転車ナビライン」、「普通自転車専用有効帯」の3つを紹介しました。

自転車に乗っているときは、法令適用の有無にかかわらず、自転車は原則として車道を走らなければならないので、クルマと同じように進行方向や信号機の指示に従う必要があります。

また、自動車を運転しているときは、車道の左側を走っている自転車の動きに十分注意しながら、追い越すときは自転車との間隔を可能な限り広く取ってお互いに安心して通行できるよう、思いやりや譲り合いの気持ちも大切です。

 

自転車に乗るときも、自動車を運転するときも、いつでも交通ルールやマナーを守って、くれぐれも安全運転を心がけましょう!

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