高知の自然を香りで届ける──地元の素材を活かし、森と人をつなぐものづくり
高知県にある豊かな自然の香りを日常に届けるブランド「SUNDAY MARKET」。代表の家竹さんは、地元素材を生かし、高知の魅力を全国に発信するものづくりに挑戦しています。 なかでも 「ヒノキウッドチップス」は、お家でもクルマでも手軽に森林浴の香りを楽しめます。さらにアロマオイルを垂らすというひと手間を加えれば違う香りも楽しめ、忙しい日常の中でも、ほっと一息つける時間をもたらします。 “#くるまデコ クリエイターのものづくり”では、創造性あふれる作品やアイテムと、それをつくり出すクリエイターのかたがたに注目し、その魅力をお届けします。
目次
暮らしに森の香りを──「ヒノキウッドチップス」の魅力
「ヒノキウッドチップス」は、油脂分を多く含む土佐ヒノキを使用したフレグランスアイテム。さわやかで清涼感のある香りが特徴です。
家竹さんは、「ウッドチップスは呼吸をしているんです。二酸化炭素を吸って酸素を吐き出す。山に行ってマイナスイオンを感じる、森林浴と近い体験ができます」といいます。
その呼吸をする時に木の表面についている香りも一緒に空気中に吐き出されるため、天然のアロマディフューザーとして使うことができるのだそう。
また、自然の香りをそのまま楽しめるだけでなく、2~3週間後にはお好みのエッセンシャルオイルを垂らして、二度楽しむことが可能です。
そんな「ヒノキウッドチップス」は、自然にも、心と身体にもやさしいアイテムです。
東京から高知へ。“都会”と“自然”の間で見つけたものづくり
高校卒業後、東京のアパレル業界に身を置き、順調にキャリアを重ねていた家竹さん。しかし、多忙な日々を送るなかで「少し疲れてきたな」と感じ、25歳のときに高知へUターンし、起業をすることに。会社を立ち上げた当初は、知人の畑や居酒屋を手伝いながら、事業の方向性を探っていたといいます。
そんな中、転機となったのは、土佐ヒノキを扱う工場との出会いでした。そこではヒノキ枕の資材としてヒノキを加工していましたが、家竹さんのセンスで、ヒノキ本来の香りを感じられるフレグランスが誕生し、のちに自身が立ち上げたブランド「SUNDAY MARKET」へとつながりました。
「ブランド名である「SUNDAY MARKET」には、高知市で300年以上続く「日曜市」のように、県内外の人に、長く愛され続けるブランドにしたい、という想いをこめているんです。」と、命名の想いを語ります。
「日曜市」は、毎週日曜日午前6時から午後2時ごろまで開催される。 画像引用元: 高知市公式HP
直面した地元の課題
高知のヒノキを扱うことにした背景には、家竹さんが地元に戻り直面した課題もありました。「高知県は自然が豊かで、の土地の約84%を森林が占めています。ただ、山は放置すると荒れてしまうため、職人による定期的な間伐(間引き)が必要です。かつては勿体ないことに、間伐材を廃棄するために費用をかけていたんです。」と、資源がうまく活かされていないことに驚いたそう。
「加えて、林業従事者の減少や後継者不足といった課題も深刻です。森を守る人たちの仕事が成り立つ仕組みをつくりたい、と考え、間伐材を使ったアイテムづくりに取り組み始めました。」
「都会から自然のある場所に出かけるとき、高知は少し遠くて選ばれにくいです。
でも、香りやアイテムを通して“高知っていいな”と思う人が増えたら、実際に訪れてくれるきっかけになるのではないか、と思いました。」このような想いも、高知のヒノキを使ったアイテムを生む後押しとなりました。
懐かしい香りで癒されて欲しい──ヒノキの製品づくりに込めた想い
化学合成の香りが苦手な人も多い中、ヒノキの香りはふわっと広がってすっと消える。
「だからこそクルマの中でも受け入れられやすいんです」と家竹さん。
使用しているのは、柔らかく柑橘系の香りを感じさせる「土佐ヒノキ」という品種の木材。
「お客さまからは、「オイルを足しているの?」 と聞かれることがあるというほど香りが高いのが特徴です。また、ゴミを減らし高知の自然を守るという想いから、余分なパッケージを省き、自然の美しさをそのまま届けることにこだわっています。」
シンプルなパッケージだからこそ素材の美しさが際立つ。
「森林浴をしているみたい」、「懐かしい香りで癒される」といったお客さまからの声が届くそうです。都会で忙しく働いている人々に懐かしい香りで癒される、そんな体験をして欲しいと家竹さんは語ります。
家でも、クルマでも。暮らしの中でヒノキの香りを楽しむ
「SUNDAY MARKET」には「ヒノキウッドチップス」をはじめとするヒノキシリーズの他に、さまざまな自然にも、心と身体にもやさしいアイテムがラインアップされています。
パークシリーズ(手軽に持ち運べるアウトドアグッズ)
ヒノキブレンドシリーズ(エッセンシャルオイルをブレンドしたミストやソープなど)
これらのアイテムは、インテリアとしてだけでなく、カーライフにもぴったり。
例えば、「ヒノキウッドチップス」は、土佐和紙でできたサシェ袋に入れてドアポケットに置いたり、ヘッドレストに吊るしたりするとエアコンの風でやさしい香りがふわっと広がります。
また、天然素材のため、ペットがいるご家庭やクルマでも安心して使えます。
家竹さんご自身も大型犬を飼われているため、ペットがいても安心して使えるという点はこだわりのポイントだそうです。
「ヒノキアロマフック」はクローゼットやグリップに取りつけやすい。
“手間をかけること”を楽しむ──SUNDAY MARKETのこれから
「特にこの20年くらいは世の中がどんどん便利になっていますが、そんな時代に手間をかけることも一つの楽しみだと思うんです。」
それは、例えばSUNDAY MARKETのアロマプレートを使うとき、好みのアロマオイルを垂らし、そのときどきの豊かな香りを味わうこと。この時間が自分の本当に大切なことに気づかせてくれて、暮らしを満たすのかもしれません。
「便利になりすぎると、立ち止まることをしなくなる。だからこそ、手間をかけることを楽しんでほしい。」と家竹さん。
「SUNDAY MARKETのアイテムもあえて進化させたくないんです。昔ながらのいいものは、何年たってもいい。SUNDAY MARKETのアイテムも、そう感じてもらえたらうれしいです」。
香りが導く、心と時間のゆとり
家竹さんのものづくりは、「自然と人との関係性を見つめ直す」きっかけを与えてくれます。ヒノキの香りに癒される時間、ふと感じる懐かしい森林の気配──それは、慌ただしい日常の中で立ち止まる瞬間をつくってくれるもの。
「SUNDAY MARKET」のアイテムは、便利さだけでは得られない“手間のある豊かさ”を教えてくれます。自然の恵みを大切にしながら、暮らしに寄り添う香りとともに、これからも家竹さんは高知県から新しい価値を発信し続けていくでしょう。「忙しいな、ちょっと疲れたな」と感じるとき、少しだけ立ち止まって、自然の香りで癒されてみてはいかがでしょうか。
Instagram: SUNDAY MARKET
SUNDAY MARKET HP: https://9rowing.jp/
