いまさら聞けない? スタッドレスタイヤの疑問 【初級編】
いよいよ寒さも本格的になってきましたね。 この季節になるとよく目にするのが、スタッドレスタイヤの広告。スタッドレスタイヤは冬につけるイメージがありますが、具体的にノーマルタイヤと何が違うのでしょうか? スタッドレスタイヤにまつわる6つの疑問にお答えします。
目次
スタッドレスタイヤって、どんなタイヤなの?
冬になると雪が降ったり路面が凍結したり。
そこにできる水の膜が凍った路面とタイヤの間に入ると、タイヤを滑らせてしまいます。
すると、タイヤの大事な役割である、進む・曲がる・止まるなどの動作が鈍くなり、非常に危険。事故の元になってしまいます。
スタッドレスタイヤは雪や氷の上でも滑らないようノーマルタイヤに比べて溝が深く、多くついていて、吸水・排水性を高め、水の膜を取り除いてくれるしくみが。
また、気温が低くても硬くなりにくい、柔らかい素材のゴムを使っています。この柔らかいゴムが、目に見えないほどの凹凸に密着して、しっかり走ることができます。
靴に例えるなら、ノーマルタイヤはスニーカー、スタッドレスタイヤはスノーブーツといったところ。雪の日にスニーカーは、滑りやすいので避けたいですよね。
このようにスタッドレスタイヤは、冬の路面に適した機能を持っているのです。
雪が降らなければ使わなくていい?
そうはいっても、滅多に雪が降らないところに住んでいる方もいますよね。
そういう地域に住んでいても、スタッドレスタイヤは装着した方がいいのでしょうか?
答えは、イエス。
出かけるときに雪が降っていなくても、行き先では降っている可能性があります。
また雪が積もらない地域でも、気温が氷点下になれば路面が凍ることもあり、そのような場合でもスタッドレスタイヤは有効です。
スタッドレスタイヤは、いつ交換すればいいの?
では、具体的にどの時期になったらスタッドレスタイヤに履き替えればいいのでしょうか。雪が降った日?お出かけをする日?
実は、雪が降ってから履き替えるのでは遅いのです!
スタッドレスタイヤの効果が本領発揮できるのは、最低でも乾いた路面で100kmほど(高速道路なら200km)走行してから。 タイヤにも準備運動が必要なのですね。
また、雪が降ってからや雪の予報が出てからお店に行くと混雑することが多いです。
地域ごとに降雪のタイミングは違いますが、本格的な冬シーズンの前に早めに交換をしておくのが安心です。
ずっとスタッドレスタイヤを履いていたらダメなの?
早めにつけておいた方がいいとなると、一年中ずっとスタッドレスタイヤを装着していればいいような気もします。実際、法律で禁止されていることもなく、絶対にNGということではありません。
しかし、スタッドレスタイヤはノーマルタイヤよりも熱に弱く、タイヤが柔らかく地面に密着する分、すり減るのが早くなってしまうので、寿命も短くなってしまいます。
夏と冬の気候に合わせてタイヤを履き替えることが、タイヤの性能を引き出し、長く使うことにつながります。
タイヤはどこに保管したらいいの?
夏と冬でタイヤを履き替える場合、使っていないタイヤをどこかに保管しておく必要があります。
ここにも、ちょっとしたポイントが。
お家に置くスペースがあれば、タイヤを重ねた上から紫外線をカットしてくれるカバーをかけたり、タイヤ専用のラックに置くといいでしょう。
また、オートバックスではタイヤ保管サービスをやっているお店もあるので、お家に置くスペースがない方は頼ってみるのもいいかもしれません。
スタッドレスタイヤの寿命は?
最後に、スタッドレスタイヤの寿命を確認しておきましょう。
走行距離や保管方法にもよりますが3~5年が目安で、3~5シーズン冬に走行したら買い替えるのがベター。
ノーマルタイヤと同じく溝が浅くなってきたり、タイヤ表面のゴムが固くなってくると危険なサインなので、自分で見るのが不安な人はプロに見てもらうようにしましょう。
スタッドレスタイヤ装着で心の余裕を。けれど過信は絶対しないで!
今回はスタッドレスタイヤの基礎知識をご紹介しました。
降雪が多い地域でなくても、予想外に雪が降ったり路面が凍っていることがあります。そんなときにスタッドレスタイヤを装着していれば、ノーマルタイヤ装着時よりも気持ちに余裕ができるはず。
しかし、「スタッドレスタイヤだから絶対に安心」とは思わず、路面の状態がいつもと違うときは、普段より車間距離を空ける、急加速・急ブレーキをしないなど、慎重に運転することを心がけてくださいね。
文/森野日菜子
知るとナットク! タイヤの基礎知識
https://www.kurashi-kuruma.com/article/201912131901