
屋根を開けて走ろう 【ロードスターの魅力】
オープンカーって、普段づかいのクルマとしては、かなりハードル高め。別に屋根を開けて走る必要はない…そう考える方がほとんどではないでしょうか? でも、オープンカーは、非日常への入り口かもしれません。クルマの楽しみ方のひとつとして、オープンカーの魅力をお伝えします。
目次
オープンカーの魅力?
「オープンカーに乗っています」というと、いわゆるクルマ好きの人にはうらやましがられます。でも、それ以外の人からの反応は微妙なときも。
きっと、そういう人たちは、いざ家族がオープンカーを買うと聞いたらこんな反応をするのでしょう。
・冬は寒いし、夏は暑い
・直接日差しを受けるので日焼けする、風巻き込んで髪の毛ぐちゃぐちゃする
・屋根の開け閉めメンドクサイ
・クルマの中狭くない?家族全員乗れないし、広々ミニバンがいい
・屋根開けて停まっていると人から見られて恥ずかしい
・急にゲリラ豪雨が降ってきたらびしょ濡れ…
・オープンカーのクセにオープンにしてないとかムダ(笑)
などなど…
オープンカーに対するこれらの意見はもっともで、大きな反論の余地はありません。それでも、僕がオープンカーに乗り続けている理由を書きたいと思います。
楽しいことへの淡い期待
実はオープンカーを買ったことについて、さほど確固とした理由はありませんでした(笑)。オープンカーを所有し、屋根を開けて走ったら気持ちいい「だろう」なぁ…程度の軽い気持ちでした。
人生の折り返しも過ぎ、せっかくだから2台目は趣味性の高いクルマを買ってもいいかなと思ってたときに、たまたま選んだクルマがオープンカーだったわけです。
また、仕事も少しマンネリ感が出てきたり、両親も他界したので、大きな買い物をすることで何か楽しいことが訪れることを期待していたんだと思います。

オープンカー選びは、屋根が大切
実際に買ったのは、屋根が幌でできていて、手動で屋根を開けるクルマです。でも、初めに検討していたのは、屋根が金属製の電動で開くクルマでした。
電動で屋根が開くこのギミックが、なんだかガンダムっぽくてカッコよかったのです。変形するロボットのおもちゃに憧れる子どもみたいかもしれません。この電動で屋根が開くクルマは便利で、座ったままボタンを押せば数十秒で屋根が開閉します。ただ、これはやはり少々値段が高い…
そこで屋根が幌でできており、手動で開くタイプを試乗させてもらうことに。実際に試してみたら、思った以上にスムーズに、座ったまま屋根を開けることができました。屋根を開けるのに要する時間も、手動も電動もあまり変わらない…となったときに電動のギミックにそんなにお金を払わなくてもいいかと思い至りました。
結局、手動で開閉するタイプを買うことに決めて、いよいよオープンカーライフが始まりました。

乗ってみて、初めて感じること
実際にクルマの屋根を開けてみると、閉塞された空間が一気に開放感溢れるスペースになります。
このタイミングはいつもたまらなく、最高の一瞬です。
そして、そのまま走りだすと、思わず笑顔がこぼれます。最初のころはニマニマとずっと笑いながら運転してしまいました。

画像素材:PIXTA
もちろん、日差しや音も入ってきますし、外の臭いも入ってきます。日焼け止めは必須ですし、トンネル内ではうるさくて会話も難しいです。牧場脇を通る際のあの独特の臭いも強烈です(笑)。でも、それこそが自然と一体になっているという開放感に他なりません。
また、やはり何と言っても風を切る感じが爽快なんです。今のオープンカーは風の巻き込みも少ないとは言え、髪型は少々乱れるぐらい走行風は入ってきます。この風を切って走る感覚は、なんだかスキーとかスノーボードに似ています。

画像素材:PIXTA
日常生活において忘れてしまいがちな、自然と一体になる開放感や風を切る爽快さを感じる、これがオープンカーの一番の醍醐味です。
そして、屋根を開けるという儀式は、その非日常へのスイッチのような気がします。そんな非日常の入口が、いつもすぐそこにあるというのも何だか嬉しいです。
オープンカーならではの楽しみ方
冒頭の一般的なオープンカーへの意見は、この開放感、爽快感と表裏一体です。ですから、それらを受け入れたうえで自分がどう感じるか、クルマにどんな価値を見出すか、それに尽きると思います。
その意見はもっともだけど、それを超える楽しさがオープンカーにはあるよ、乗ってる人は、皆、そう感じているんだと思います!
そして自分はこういうクルマの楽しみ方を知っている人間なんだと、世間に知らしめたいという気持ちもあるように思います。

画像素材:Adobe Stock
クルマへの価値観
クルマに抱く価値って人それぞれです。
例えば、単なる移動の道具であったり、自分の思い通りに乗りこなす遊び道具だったり、家族やペットと考える人もいるでしょう。
その価値の多様性がクルマの面白いところだと思います。こんな工業製品ってクルマぐらいです。
クルマに楽しみや愛着を少しでも感じている人は、長い人生の中で、一度はオープンカーに乗ってみてもらいたいと思います。今はレンタカーやカーシェアなど手段はいくらでもあります。
そして、そのときにオープンカーからの非日常の世界を感じてもらえたら、きっと新しいクルマの楽しみ方を知る人も多いはずだと思います。
文/YASUHIRO
