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公開:2020.10.30

愛犬たちと自然に囲まれたオートキャンプ場

毎年、春から秋にかけてキャンプを始める我が家。 こんなご時世になってからは控えていたけれど、人が密にならないキャンプ場を見つけて 夏の思い出を1つつくりに行きました。今回は、そこで触れたあたたかい人とのつながりのお話しです。 

目次

キャンプの楽しみを知った10年前

犬と暮らすようになってから16年目になりますが、自然の中で過ごすことが増えました。アウトドア好きな友人夫婦のすすめから、キャンプという「ソトアソビ」を知ったのをきっかけに、年に4,5回ほど出かけるようになりました。

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8月も終わりに近づき、この夏は1度もキャンプに行けていないなぁと少し焦りを感じ始めたころ。毎週キャンプに繰り出している犬仲間の情報を頼りに、キャンプ場に問い合せをしてみました。前日に予約という、とんでもなく無謀な要求なのにもかかわらず、快く快諾していただきました。聞くと、この日はなんと2組しか予約がないという空き具合。

キャンプ場にとってはオンシーズンに、こんな状況なのはとても深刻だろうと思う反面、密じゃないことで安心だという思いもあり、今回はこの状況に感謝して楽しむことを決心しました。

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翌朝ははりきって早起きし、クルマに荷物を詰め込んで、寝起きのぼんやりしている我が家の愛犬たち(我が家ではおチビたちと呼んでいます)を助手席へ乗せて出発!

 

クルマを走らせて1時間半ほどで、栃木県那須塩原のオートキャンプ場に到着しました。このキャンプ場の特徴でもある。一区画ずつ塀で区切られているサイトは、テント設営中もおチビたちを自由に遊ばせても安心でした。

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テント設営が済んだらこんどは散策に行こう!

キャンプ場内は、ちょっとしたカフェがあったり、今は中止していたけれど、湖でカヌー体験ができたり、ドッグランがあったり、ゲストを飽きさせない工夫がたくさんされていて、とてもいいキャンプ場だなぁという印象でした。

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湖畔を散策していると、シベリアンハスキーの3姉妹に遭遇しました。

飼い主さんはキャンプをしにきたのではなくて、カフェにお昼を食べに来た

地元の方のようでした。とても気さくな方で話が弾み、近隣に何かいい観光スポットや行っておいたほうがいい場所はないか尋ねてみました。

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実は、今回のキャンプは、翌日は大雨予報なのを知っていたので、今日のうちにこのキャンプ場のウリの、湖でおチビたちとカヌー体験を楽しもう! と意気込んでいた我が家。

でも、到着してから中止になっていることを知って、正直がっかりしていたところでした。今日のうちに楽しめるものを探しており、この地元の方にダメもとで尋ねてみると、「ここからクルマで10分ほどのところに荒川の上流があるんです。流れもゆるやかだし、何より水がきれいなので、もしよかったらこの後行ってみませんか?」と思いがけないお誘いが。

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穏やかで優しい性格のシベリアンハスキー3姉妹

急いで出かける準備をして、シベリアンハスキーの飼い主さんの運転するジムニーの後ろについてクルマを走らせる。

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慣れない土地で、具体的な行き先も分からず、ワクワクドキドキ、刺激的な冒険のよう。

細い道をクルマでかき分け、ワクワクしながらついて行った先に、何とも言えない美しい景色が現れました。

その方は、確かさっきもここに来ていたと言っていたのに、私たちのために、わざわざおチビたちにとって一番安全で水遊びのしやすいところへ案内してくれました。

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我が家のおチビたちでも安全に遊べる浅瀬の川

カンカン照りではないのに、蒸し暑さでバテそうだったこの日は、まさに川遊び日和。

夏の間、どこかでおチビたちと川遊びしたいと思っていたので、本当に嬉しいできごとでした。

写真を撮ったり、水のかけ合いをしたり、たくさん遊んで、すっかりクールダウンできました。彼らとの出会いに感謝し、さよならを言ってキャンプ場へ戻りました。

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さてキャンプ場に戻ると、その途端に雷が鳴り始めました。花火や雷のように大きな音がとても苦手な犬は、びっくりして逃げてしまうことがあります。それが一番心配だったので、夕飯をつくっている間は夫におチビたちをなだめてもらい、急いで夕飯の準備。天気予報よりも早く来た風雨は激しく、次第に雨足も強くなり、タープがたわみ、設営したテントに寝るのは少々厳しいと判断。今度は急いで車中泊の準備を始めました。

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結局、一晩中降り続いた雨。

キャンプを始めてから、こんなに雨が降り続いたことも、雷が鳴りやまなかったこともなく夜の9時に寝たのにもかかわらず、ずっと浅い眠りのまま朝を迎えました。

 

 

昨日の夜ごはんはかきこむようにして食べ、味わってのんびり摂ることができないくらいの大雨だったので、ようやく上がった雨に安堵して、朝ごはんはゆったりコーヒーを淹れ、薪の火でパンを焼いたりして楽しみました。

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夜は雨で眠れなかったのか、ソファでくつろぐおチビ

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たった1日でクルマに見事に張り巡らされた蜘蛛の巣

最後に……

キャンプの醍醐味は、自然の中でどれだけ自分が無力か、普段いかに恵まれた生活環境で過ごせているかを知ることだと思っています。今回はそれにプラスして地元の方との出会いとぬくもりに触れることができた、ありがたいキャンプでもありました。

 

相手を楽しませるために、自分の時間を割いてくれたあたたかい人。私もそうでありたいと気づきをもらいました。

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帰り道には青空ものぞく天候に

文・写真/長谷部 恵美子

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