クルマでもお家でもOK! 金属・プラスチック・紙にも使えるシリコンスプレー
クルマのお手入れは洗車などの“掃除系”と整備などの“メンテナンス系”に大別できますが、どちらもさまざまなアイテムが必要になります。今回紹介するシリコンスプレーは、1本あればクルマの掃除やメンテナンスのほか、家庭でも使える活用範囲の広いマルチスプレー。そんなおすすめのシリコンスプレーの用途と効果について調べてみました。
目次
シリコンスプレーって、どんなもの?
ズバリ! 素材の表面にシリコン被膜を形成し、滑りをよくする潤滑スプレーです。
潤滑スプレーというと、多くの人が呉工業のCRC 5-56(以下、5-56)を連想すると思いますが、呉工業のHPによると、下図のように5-56とシリコンスプレーでは用途や効果がかなり違うことがよくわかります。イチバン大きな違いは、5-56は主に金属で使うことが想定されていますが、シリコンスプレーは金属のほかゴム、プラスチック、紙、木材などさまざまな素材で使えるところでしょう。
シリコンは身近なところでも使われている
シリコンは、酸素、ケイ素、有機基などで構成される有機化合物で、熱や光に強く、人体に触れても安全性が高いという特長があります。その特徴を生かして、シリコン系シャンプーやコンディショナー、柔軟剤など、私たちの身近なところでも使われています。
ここで、もう一度シリコンスプレーの特徴や用途を整理してみると、このようになります。
✓ 素材表面に耐熱性に優れたシリコン被膜を形成し、滑りをよくする。
✓ 無溶剤タイプなので、金属のほか、ゴム、プラスチック、紙、木材などにも使用できる。
(石油系溶剤タイプのシリコンスプレーは、ゴムなどには使えませんのでパッケージをよくご確認ください。)
✓ 潤滑だけでなく、ツヤ出し、防水効果、離型(密着したものをはがす効果)もある。
✓ あらかじめスプレーしておくと、シールが簡単にはがせる。
なお、シリコンスプレーを使う際には、直接吸引したり、火器の近くで使わないようにしましょう。
クルマの無塗装樹脂や内装のメンテナンスにも威力を発揮
潤滑スプレーというと、扉のちょうつがいや自転車のチェーン、滑車など動く部分にしか使えないイメージがあるかもしれませんが、シリコンスプレーに隠された“潤滑”以外の特性を生かして、クルマの外装のツヤ出しや撥水用途に利用できる点も見逃せません。
筆者の愛車はSUVなので、外装の至るところにブラックの無塗装樹脂が使われていて、時間が経つにつれて艶がなくなり、白っぽくなってしまうのが悩みの種でした。普通の乗用車でも同じように、グリルやバンパーの下などに無塗装樹脂が使われているケースが多いので、そこが白っぽくなって気になる方も多いと思います。
実はシリコンスプレーは、このような無塗装樹脂を黒く甦らせたり、劣化の防止にも役立ったりするスグレモノ。使い方は簡単で、洗車をした後にマイクロファイバークロスなどに吹き付けて無塗装樹脂部分に塗るだけで、まるで新品のように黒くツヤツヤの状態になり、一定期間は撥水効果も望めます。
もちろん、シリコンスプレーはタイヤや内装のツヤ出しや汚れ防止にも使用できるほか、扉のちょうつがいなど可動部分の動きを滑らかにしたい場合にも役立ちます。
ただし、いくら撥水効果があるといっても、ボディやガラスに使うのはあまりオススメできません。こちらは専用のコーティング剤などには敵わないので、あくまでも無塗装樹脂、タイヤ、内装など黒っぽい部分で使うようにしましょう。
また、筆者の愛車のように無塗装樹脂の面積が広い場合は、液体の大容量タイプがオススメ。シリコンスプレーはカーショップやホームセンターで簡単に入手できますが、液体の大容量タイプ(信越化学のKF-96-50csなど)はネット通販でも販売されているので、興味のある方は調べてみてください。
家庭内でもさまざまなシーンで活躍してくれる
本来、潤滑材であるシリコンスプレーは、クルマだけではなく、家庭内のあらゆるシーンでも活躍してくれます。例えば、閉まりや滑りが悪くなった敷居、アルミサッシ、カーテンレール、たんすの引き出しなどをはじめ、切れ味が悪くなったハサミ、椅子のキャスターなど、さまざまな素材に使用することができます。
また、雪かきのスコップにスプレーすると雪がスコップに残らず雪かきが楽になったり、シールや糊の付いた部分にスプレーしておくと剥がしやすくなったり、皮製のカバンの表面にシリコンスプレーを塗っておくと光沢や撥水効果が出たり、動きの悪くなったファスナーにスプレーすると動きが軽くなったりと家庭内でも活用範囲が広く、何だか得した気分で嬉しくなってしまいます。
このように、さまざまな用途や素材に使えるシリコンスプレーは、一家に一本そろえておきたいマルチスプレー。読者の皆さんにも、ぜひおすすめしたい逸品です。