高齢者の安全運転を支援する「サポカー」。サポカー補助金制度をわかりやすく解説!
高齢者の自動車事故といった悲しいニュースを目にすると、ご両親やご家族の運転が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか? 近ごろは、安全運転をサポートする機能を搭載した「サポカー(安全運転サポート車/セーフティ・サポートカー)」をご存知の方も多いと思います。日本政府ではサポカーの普及啓発のため、高齢者の購入や機能の搭載に関する費用を一部補助する「サポカー補助金」制度を実施。金額や受付店舗など気になる情報を解説します!
目次
高齢者の交通事故に多い操作ミス
近年、死亡事故件数は全体で減少傾向にあるものの、75歳以上の高齢運転者の死亡事故全体に占める割合が増加しています。死亡事故の人的要因はハンドル操作の間違いやブレーキとアクセルの踏み間違いなど「操作不適」いわゆる操作ミスが全体の3割を占めています。これは75歳未満と比較すると約2倍です。(参考:経済産業省ウェブサイト“サポカー”)
そこで経済産業省などでは、運転操作ミスによる死亡事故を減らすために、65歳以上のドライバーに対して衝突被害を軽減する自動ブレーキやペダル踏み間違いといった動作を抑制する機能を搭載した「サポカー」の普及啓発に努めています。高齢者特有の運転リスクを抑え、安全運転をサポートするクルマと聞くと、家族にとっても安心感が高まりますね。
「サポカー補助金」の金額は?
「サポカー」が高齢者の安全運転をサポートすることが分かっても、やはり気になるのは費用。そこで「サポカー補助金」を使ってみましょう。65歳以上のドライバーなら対象となる制度です。
まず「サポカー」購入の場合、補助金は2種類あります。
1.「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」と「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」 を搭載:乗用車で10万円、軽自動車で7万円、中古車で4万円の補助。
2.「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」のみ:乗用車で6万円、軽自動車で3万円、中古車で2万円の補助。
また「サポカー」の購入にためらいがある場合は、今お持ちのクルマに「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を設置できる場合もあります。その場合も「サポカー補助金」の申請が可能です。補助金は、障害物検知機能付きで最大4万円、同機能がない場合で最大2万円になります。
費用の心配だけでなく、今乗っているクルマに愛着があり、買い替えをためらう高齢ドライバーの方も多いと思います。そんな場合でも「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を設置するだけで事故の心配を減らすことができます。
「サポカー補助金」対象車の機能って?
では「サポカー」とは、具体的にどんな機能があるのでしょうか。主な機能2つを紹介します。
「衝突被害軽減ブレーキ」
前方の事故防止をサポートします。搭載されたレーダーやカメラで、前方の車両や歩行者を察知。衝突の可能性を感知すると警告音が鳴ります。また緊急の場合は自動ブレーキも作動します。※サポカー補助金の対象となるのは、このうち、対歩行者の衝突被害軽減ブレーキです。
「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」
主に店舗や壁に突入する事故防止を目的にしています。オートマ(AT)車で、停止時や低速時にアクセルとブレーキペダルを踏み間違えて急発進・急加速してしまわないよう抑制する装置です。
この機能は、今乗っているクルマにも設置できる場合があります。例えば『ペダルの見張り番Ⅱ』は、200車種以上に対応。もしご両親やご家族が、65歳以上のドライバーなら「サポカー補助金」を使って、プレゼントしてみるのもいいかも。
ただ、あくまでこれらは安全運転のサポートの機能で、機能には限界があります。過信しすぎず、まずは安全運転を心がけましょう。
補助金申請は、とても簡単!
こういった申請って、なかなか面倒なイメージがありませんか? でも「サポカー補助金」は、とても簡単です。申請の方法は、新車・中古車・後付けによって3パターンがありますが、今回は後付けの場合を紹介します。
① 全国のオートバックスのほか認定された事業者の店舗で、補助対象装置として認定された後付け装置の取り付けを依頼する。
→認定事業者・店舗 はこちらで確認。
② 「後付け装置設置申込書兼誓約書」に必要な事項の記入と押印し、取り付けを依頼した取扱事業者へ有効な運転免許証と自動車車検証の提示、および「運転免許証の写し」と 「自動車車検証の写し」を添えて提出。
→「後付け装置設置申込書兼誓約書」はこちらで入手可能。
③ 取り付けを依頼した取扱事業者へ、 購入・取り付け代金(消費税込)から補助金相当額が控除された代金を支払う。
支払時に一括で補助金を差し引かれるので、とてもスムーズですね。
申請できる条件を確認!
「後付け装置」の設置で「サポカー補助金」を受けるには、いくつかの条件があります。2021年4月時点の情報では、対象年齢は、2022年3月31日までに65歳以上になる高齢運転者(本年4月以降に65歳になられる方は4月以降の装着に限る)。主な注意事項は以下の通りです。
✓ 補助金の対象となるのは国土交通省が認定した「後付け装置」を設置した場合のみ。
✓ 「後付け装置」の設置は、認定された店舗でのみ。
✓ 後付け装置の補助金の交付は、1人の使用者あたり1回限り。
✓ 全国の自治体でも、独自の補助金制度を実施している場合があります。(「サポカー補助金」との併用が可能かは、最寄りの自治体に確認が必要です。参考:東京都の高齢者安全運転支援装置設置促進事業補助金)。
✓ 補助を受けた場合、後付け装置は原則1年間は保有が義務化されます。
その他、くわしくは一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページで確認するか、認定された店舗などにぜひ相談をしてみてください。