チェーン規制とは。いざというときの対策と準備
雪の降る季節が近づいてくると、交通情報などで目にする「チェーン規制」という言葉。雪があまり降らない地域の人は、何か遠い場所で起こっていることのような気がして、ただ「チェーンを付けたら走っていいの?」 といった漠然としたイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。 今回はチェーン規制について、どこで、どのような状況で起こるのか、そして何をしたらいいのかなど調べてみました。
目次
チェーン規制の区間は、チェーンを装着したクルマだけが走れる
「チェーン規制」とは、大雪特別警報のような異例の降雪時に、タイヤチェーンを必ず装着することを命じる規制です。2018年12月にタイヤチェーンを装着することで通行可能にし、通行止め時間を短くすることを目的に設けられました。大規模な立ち往生を防止するために、従来であれば全面通行止めにしていたところでもチェーン規制下であれば通行できるようになります。
実施される区間は現在13か所ありますが、現時点では、実際に発令されたことはありません(2021年10月現在)。ただし、今後は実際に発令されたり対象区間が増えたりする可能性もあります。
急な上り下りのある峠道や、過去に立ち往生や通行止めが起こった場所であり、タイヤチェーンが装着できるスペースや通行止めが解除されるまで待機できる場所がある区間です。また規制区間の手前では、タイヤチェーン装着状況の確認が行われ、チェーン未装着の車両は規制区間の通行はできません。
チェーン規制が発令されると、スタッドレスタイヤを装着していても、タイヤチェーンの装着が義務付けられています。大雪時には、スタッドレスタイヤを装着していても、立ち往生することがあります。もちろん車種も問いません。雪道に強い4WD(四輪駆動車)でも同じです。
道路情報は、道路交通情報センターや情報板で確認
冬場に雪の多い地域に行く場合は、スタッドレスタイヤへ交換するのはもちろん、タイヤチェーンも携帯しておくとよいでしょう。予定しているルートにチェーン規制が発令される区間があるかどうか、あらかじめ調べておくと安心です。もちろん、天気予報もチェックを。
当日の道路情報は、日本道路交通情報センターのサイトやハイウェイラジオ、また高速道路の情報板などで告知されています。もちろん区間に入る手前にも予告情報板で告知され、規制区間には標識も表示されるので、きちんと確認をしましょう。
チェーン規制が発令されたら、慌てず次のSAやPAで装着を
走行中にチェーン規制が出た場合は、慌てず対処しましょう。
例えば高速道路を走行中の場合、安全を確認しながら次のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)などのチェーン着脱場まで走行し、速やかに装着する必要があります。間違えても、慌てて路肩に停車して装着作業を行わないでください。
また、タイヤチェーンを準備していなかった場合は、規制が解除されるまではその区間を走行できません。SAやPAなどで待機するか、次のインターチェンジで降り、安全な場所で状況が回復するまで待ちましょう。そうならないためにも、あらかじめタイヤチェーンはクルマに載せておきたいですね。
チェーンの種類やつけ方は、購入時に確認を
タイヤチェーンと聞くと、鎖のジャラジャラしたものを連想する方もいるかもしれません。もちろん鎖の金属チェーンもありますが、現在はゴムやウレタン製の非金属チェーンも多く使われています。
また取り付けが簡単で、コンパクトに収納可能な布製のタイプもあります。ただし、こちらは耐久性が金属やゴム製などより劣るので、長距離での使用には向きません。また、布タイプ(アラミドなどの特殊繊維製の製品)は対応していますが、高速道路などにおける冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)規制時、またはチェーン規制時には布タイプでは通行できない場合があります。
購入する際は、あらかじめ確認しておきましょう。
詳しくはこちら:備えあれば憂いなし! 知っておきたいタイヤチェーンの種類!
タイヤチェーンは、4本すべてのタイヤに装着する必要があるかというとそうではなく、基本的に駆動輪に装着すればOKです。前輪駆動のクルマは前のタイヤ2本に。後輪駆動のクルマの場合は、後ろのタイヤ2本に。4WDの場合は車種によるので、購入の際にカー用品店に聞くか、ディーラーに確認してください。
また、そのときになって慌てないように、事前にチェーンのつけ方を練習しておくのも忘れずに。
雪の多い地域では、いくら事前に天気の情報を確認していても、突然、天候が変化することがあります。雨かと思ったら、いつの間にか大雪になってしまった……なんてことも起こりうるかもしれません。
きちんとした準備は、ドライブを楽しくスムーズに進めてくれます。降雪地域に行く場合は、必ずタイヤチェーンを用意しておくといいですね。