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公開:2020.9.23
更新:2020.9.23

自動運転の未来。クルマの運転はどう変わる?

「自動運転」と聞いてイメージするのは、ドライバーがハンドルに手を触れることなく、クルマが自動的に運転するもの。これが実現すると、クルマが移動する空間となり、趣味を楽しみながら目的地まで行ける日がくるかもしれません。 現在では、ドライバーがテレビを視聴したり、スマホを触ったりすることは厳禁ですが、未来はどうなるのでしょうか? 100年に1度と言われる変革期の中で、自動車業界のトレンドである「自動運転」について調べてみました。

目次

そもそも「自動運転」の定義は?

自動運転と聞くと、「苦手な運転をする必要がなくなってラクになるの?」とか、「寝ている間に旅行先に着いちゃうかも」とか、「渋滞がなくなったらうれしい」、「交通事故の心配がなくなって安心」など、さまざまな期待をしてしまいませんか?

 

果たして、自動運転とはそんな期待通りの技術なのか、調べてみることにしました。

 

ひとくちに自動運転と言っても、クルマに備わっている自動運転技術のレベルに応じて、できることが異なるようです。現在は5段階に区分されています。日本で定義されている「自動運転」は、日本政府が独自で定めたものではなく、アメリカの「SAE International」という非営利団体が定めたものを採用しています。

 

完全手動運転のレベル0から、運転支援などを経て、レベル5の完全自動運転の6段階に整理されています。

自動運転レベル1は身近な機能!?

「レベル1」に該当する機能には、高速道路における車線逸脱防止支援機能や、加減速を自動で調整することで先行車との距離を一定に保つACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール=車間制御機能)など、すでにその機能を備えたクルマは非常に増えてきています。

衝突被害軽減ブレーキのような、サポカー(安全運転サポート車/セーフティ・サポートカー)に搭載されている機能も自動運転と聞くと、意外と身近なものだったことに気づきますね。

 

でも、この段階はあくまでも「運転支援」です。これらの機能がオンの状態でも過信せず、ドライバーが主体となって運転する必要があります。この「レベル1」や、自動追い越し支援などの機能が備わった「レベル2」の段階では、ドライバーの運転を助けるものといった感じです。当然ながら、テレビを視聴したり、スマホを触りながら運転することはできません。

 

自動運転というと、次の「レベル3」以上をイメージされる方が多いのではないでしょうか。

この段階になると、運転中に前方から目を離してもいい技術(アイズオフ)が使われ始めます。

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画像素材:PIXTA

自動運転でもドライバーは必要??

自動運転が「レベル3」になると、運転の主体が、少しずつドライバーからクルマに移ります。例えば高速道路のような特定の場所において、一部の運転はクルマが行い、緊急時などクルマのシステムが「自動運転を継続することが難しい」と判断した場合に、ドライバーが運転を引き継ぎます。運転中に目を離してもいいアイズオフが可能になりますが、いざというときに運転できるように、ドライバーは常に運転席に座っている必要があります。

 

現状では「レベル3」の自動運転機能は技術的には市販車にも適応できる段階にはあるものの、2020年4月に施行された改正道路交通法でレベル3が安全に道路を走行することができるような規定が整備されたばかり。環境は整いつつありますが、実際にクルマに乗って“移動する空間”を楽しむことは、もう少し先のことでしょう。

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画像素材:PIXTA

クルマからハンドルやアクセル・ブレーキがなくなる??

さらに自動運転レベルが上がって、「レベル4」や「レベル5」になると、運転の主体は完全にクルマのシステムに移ります。

 

特に「レベル5」となるともはやドライバーが必要ではなくなります。このレベルに到達するとドライバーは飲食やスマホ操作したり、テレビを視聴するなどが可能になるでしょう。さらに、クルマからはハンドルやアクセル・ブレーキペダルがなくなっているかもしれません。

こうなると運転席という考え方がなくなり、車内全体がリビングルームのようなデザインのクルマが出てきたり、もしかしたら子どもが一人でクルマに乗るなんてこともあるかもしれません。

 

もしもそうなったら、「クルマの中」ではあっても、“家の中”にいるかのように過ごせるのではないでしょうか。

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画像素材:PIXTA

自動運転に対する私たちの期待はどんどん膨らみます。

すでに公道では自動運転バスの実証実験も行われている一方、事故が発生した際の責任の所在など、解決すべき問題も残っています。完全な自動運転が身近なものになるまでには、まだ時間がかかりそうですが、身近なところでも自動運転「レベル1」などはすでにあり、自動運転の技術開発は世界中で急速に進んでいます。

 

今後のさらなるクルマの進化を期待して、未来のクルマでの楽しみ方について、周りの方と話題にしてみてはいかがでしょうか。未来の楽しみがちょっと増えるかもしれません。

高齢ドライバーの運転をサポートする「サポカー」。進化しているその機能って?

https://www.kurashi-kuruma.com/article/202009098766

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