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公開:2020.10.1
更新:2023.7.16

もしものときに。1台に1つ「緊急脱出用ハンマー」を!

台風やゲリラ豪雨など、これまで経験したことのないような雨の被害が増えてきた近ごろ。走行中の道路が冠水してしまい、クルマが動かなくなり、車内に閉じ込められるといった事故が発生しています。そんな中で、万が一ドアや窓が開かなくなり脱出が難しくなった場合に助けになるのが、「緊急脱出用ハンマー」です。もしものときに備えておきたい、このアイテムの必要性や機能など詳しく紹介していきますね。

目次

車内からの脱出が困難に? 緊急脱出用ハンマーが必須

緊急脱出用ハンマーは、自動車の水没時や交通事故などで車内に閉じ込められたときに有効なアイテムです。特に、台風やゲリラ豪雨などで自動車が水没した場合の脱出に有効なものとして、令和2年8月には国土交通省から緊急脱出用ハンマーの搭載をお願いする案内が出されています。

 

といわれても、水没してもドアを開けて出ればよいのでは?と思うかもしれません。でも、そうもいかないのです。まずドアに水圧がかかっている場合、ドアを開けるのは非常に難しくなります。また自動車は、たったの30cmの水深でもエンジンが故障してしまうことがあります。

 

ドアは水圧で開かず、また、浸水により電気系統が動かなれば窓(パワーウインドウ)も使用できず、脱出が困難に。もちろん窓ガラスは、素手で簡単に割れるものはでありません。そういった場合、緊急脱出用ハンマーを使って、側面の窓ガラスを割り脱出をはかりましょう。

緊急脱出用ハンマーの性能と正しい使い方を知って、トラブルに備えよう!

緊急脱出用ハンマーは、その名の通り緊急事態に使用するものなので、その必要性にピンとこない人も多いでしょう。だからこそ、事前に使用方法を確認しておき、緊急時に正しく使えるようにしておかなければなりません。災害に対する防災グッズのひとつと考えておくのがよいですね。

 

クルマのガラスは、フロント面と側面ではガラスの種類が違います。緊急脱出用ハンマーで割る場所は、必ず側面の窓ガラスにしてください。フロントガラスは合わせガラスになっており、叩いてもヒビが入るだけで、割ることはできません。また、一部の高級車では静音性を高めるために側面にも合わせガラスを採用しているものもあるので、不明な場合は自動車販売店に確認しましょう。

 

緊急脱出用ハンマーの先には硬く尖った金属があり、そこに力を集中させることにより、ガラスが割れる仕組みになっています。使用する場合は、できるだけ1点に力がかかるように、ガラスに対して垂直にハンマーを当てれば、軽い力でも割ることができます。

緊急脱出ハンマー

先端の尖った金属部分により、軽い力でも強化ガラスを割ることができます

緊急脱出用ハンマーにはいくつかのタイプがあります。

金づちタイプ

1番販売されている種類が多い小型の金づち形。グリップを持って先端の突起部分をガラスに当てます。リーズナブルな価格と使いやすさも特徴です。

ピックタイプ

金づちタイプより小型のことが多く、先端のとがった突起にカバーが付いていたり、USBソケットなどがついているなど多機能であることが多いです。

ポンチタイプ

スイッチを押すだけで、ガラスを割ることができます。

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画像素材:PIXTA

水没時は、シートベルトにロックがかかり、外すことができなくなることがあります。そんな場合を想定して、多くの緊急脱出用ハンマーにカッターが付いています。シートベルトカッター付きを選ぶと安心です。

 

緊急脱出用ハンマーは、どのタイプもあまり力をかけずに側面ガラスを割れるつくりになっています。フロントの合わせガラスよりも割れやすい側面ガラスでも、運転中の安全のために強化ガラスを使用しているため、ハサミや傘といった専用品でないもので代用しても、自力で割ることは難しいです。

関連記事:【動画付き】クルマに備えて! 緊急脱出用ハンマーを使ってみました!

ガラス

緊急脱出用ハンマーを使うと、ガラスが一瞬で粉々に

安全を考えると、やはり専用の道具を用意する必要がありますね。

価格は2,000円~3,000円。安心できる販売店で購入を

緊急脱出用ハンマーは、金づちタイプは2,000円ほどで買うことができます。またモバイルバッテリーやLEDライトとしても使用できる機能を備えたものもあって、これも3,000円程度です。

 

購入時には、緊急脱出用ハンマーの使い方や性能が書かれているかの確認と、カッター部分の耐久年数などの確認を必ず行ってください。オートバックスで販売しているものなら安心です。

車内では緊急時にすぐ手に取れるような場所に置きましょう

こういったアイテムを備えた場合に、うっかりしてしまうのがその保管場所。使用頻度が少ないため収納してしまいがちですが、緊急時にとっさに手に取り、使用できるようにしなければなりません。

 

そこで保管場所としておすすめなのは、発煙筒の近く運転席のドアポケット。緊急脱出用ハンマーにはホルダーが付いているものもあるので、さまざまな場所に取り付けることができます。実際に事故が起こったときに、その衝撃でどこかに飛び出してしまわないように、しっかり固定できる場所を選んでください。

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画像素材:PIXTA

天気予報や道路防災情報をまめにチェックして、トラブルに近づかない運転を

緊急脱出用ハンマーの必要性を紹介しましたが、そもそもこのような緊急時のアイテムを使用するシチュエーションに遭遇しないに越したことはありませんよね。

 

最近の天気予報は、ほぼリアルタイムでかなり精密な情報を知ることができます。台風やゲリラ雷雨などの災害情報は、お出かけの予定を立てるときにチェックしておくと、未然にさまざまなトラブルを防げることもあるかと思います。

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画像素材:PIXTA

また、自治体が発表しているハザードマップのほか、国土交通省が発表している「道路防災情報WEBマップ(道路に関するハザードマップ)」では、道路冠水想定箇所、事前通行規制区間および緊急輸送道路に関する情報を確認することができます。

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画像素材:PIXTA

大げさかな? と思うかもしれませんが、遠くへお出かけするときはもちろんのこと、普段よく通るルートの浸水しやすい場所をチェックしておくと安心です。備えを万全にして、トラブルに近づかないような計画とドライビング。そんな運転を心がけるとよいかもしれません。

 

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