カラフルなストローの「ヒンメリ」で、北欧風の心地よい空間づくりを
天井から吊るされて、風でゆらゆら揺れるモビール。その穏やかな揺らめきを眺めていると、ゆったりと心が癒されていく気がします。モビールには、赤ちゃん用のかわいいものもあれば、洗練されたおしゃれなデザインのものもあり、老若男女を問わずに愛されるインテリアです。 紙・木材・布など、さまざまな素材を使ったモビールがありますが、フィンランドの伝統装飾「ヒンメリ」をご存知でしょうか?
目次
ヒンメリとは?
ヒンメリ(Himmeli)とは、乾燥した麦わらに1本の糸を通して多面体にした北欧フィンランドの伝統的な装飾品のこと。別名「光のモビール」とも呼ばれています。
太陽の昇る時間が極端に短くなる極夜のシーズンがあるフィンランド。かつて北欧では、一年の中で昼の時間がもっとも短い冬至に、太陽の復活を祝うお祭りが行われていました。この冬至祭で、太陽と豊穣のシンボルとされていた麦わらで願いを込めてつくられたのがヒンメリです。
ストローでつくる! ヒンメリモビールのつくり方
材料と道具
✓ストロー
✓糸(テグスやタコ糸など)
✓お好みでビーズやタッセルなどの装飾パーツ
✓定規、ハサミ
テグスやタコ糸などしっかりした糸はそのままストローに通すことができますが、大きめの針があると糸がより通しやすくなります。タッセルやビーズをヒンメリに組み合わせてモビールをつくってもかわいいですよ。
伝統的なヒンメリは麦わらに糸を通してつくりますが、はじめは強度のあるストローでつくることがオススメ。幾何学模様が美しく見えるようにストローはなるべく細く、中の糸が透かさない色が濃いものを選ぶと、キレイな仕上がりになります。
今回は、ヒンメリの基本形である正八面体のつくり方を紹介します。
まずストローをカットして、長さ5cmのストローを12本つくります。長さがバラついているとキレイな正八面体にならないので、長さが揃うようにカットしましょう。
最終的には、下の写真のように12本のストローすべてに糸を通します。
左端の糸が5cm以上残るようにして、先ほどカットした3本の青のストローを糸に通します。
青のストローを三角形になるように、頂点を糸で結びます。
このとき糸がゆるいと、うまく正八面体がつくれなくなってしまうので、ゆるみがないようにしっかり結ぶように。
次に2本の白のストローを糸に通します。
白のストローに糸を通したあと、青のストローの隙間から出ている糸に白のストローを通した糸を結びつけ、三角形を固定します。
同じように別の2本の白のストローを糸に通して、三角形になるように結びます。
残り3本のうち2本の青のストローを糸に通します。
これまでと同じように三角形になるように結んでから、最後の1本の青のストローを糸に通します。
三角錐になるように、はじめに結んだ三角形の頂点に糸を通して結びます。
結び終えたら、余った糸をストローの中に通します。ストローの中に糸が2本通らない場合は1本のみを通します。
最後にAとBの三角形の頂点を糸で結びます。
余った糸は輪っかになるよう結んで、そのままモビールにします。
モビールの糸として長さが足りなければ、結んだ糸はカットして、新たな糸をヒンメリにつけ足してもいいです。
ヒンメリの先にビーズやタッセルをつけてもかわいいです。
同じつくり方で、青のストローの部分を二等辺三角形にすると、ドロップ(しずく)状のヒンメリにすることもできます。
ストローの本数や長さ、色を変えるなど、ちょっとした工夫でさまざまなヒンメリを楽しむことができますよ。
手づくりのヒンメリを車内に
ストローでつくったヒンメリを車内で吊り下げてみました。
後部座席の上部に吊り下げたビーズとタッセル付きのヒンメリ。ビーズとタッセルを付けることで、少しエレガントな雰囲気になりました。
正八面体を3つつなげてつくった赤と青のヒンメリ。
ストローの配色や吊るすヒンメリの数を変えるだけで、車内の雰囲気がだいぶ変わります。
クルマの振動でヒンメリがゆらゆら揺れるので、ドライブ中は常に揺れるヒンメリを楽しめます。後部座席に飾れば、お子さまと一緒のドライブに喜ばれそうですね。
幸せを運ぶヒンメリで、明るい気持ちに
寒く暗い冬が訪れるフィンランドでは、今も昔も太陽の光はとても貴重なもの。光のモビールとしてヒンメリは現在でも、クリスマスの伝統的なオーナメントとして飾られたり、幸せを運ぶモビールとして結婚式の装飾に使われたり、日頃から多くの家庭で親しまれているそうです。
そんな歴史のあるヒンメリを車内に飾れば、雰囲気が変わるだけではなく、心も穏やかに明るくなれそうですね。クルマの中でゆらゆら揺れるヒンメリで、光の揺らぎを感じながら心地よい空間づくりをしてはいかがでしょうか?