pixta_70682939_M

公開:2021.3.12
更新:2023.6.26

「車検」はいつから受けられる? 満了日や受ける時期などの基本を解説!

マイカーを手に入れたら、いずれはやってくる車検(自動車継続検査)の時期。初めての車検は、何をしたらよいのか、どこに頼んだらいいのなど、分からないことが多いのではないでしょうか? それなりに費用や時間がかかることなので、前もって準備をしておきたいですよね。今回は、車検について紹介します。

目次

いまさら聞けない? そもそも車検ってなに?

一般的に私たちは、「車検の時期だ」「車検を受けないといけない」という言い方をしています。でも、その必要性をいまひとつ分かってはいないまま、「クルマ(自家用乗用車)の車検は、2~3年に一度やると法律で決められているもの」というぼんやりとしたイメージで、車検に出してはいませんか? 車検の重要性と必要性を理解したうえで、車検を受けておきたいですよね。

 

車検の正式名称は、「自動車継続検査」といいます。自動車が公道を問題なく走行できるよう、国の定める基準に適合しているかを確認する検査であり、自動車の安全と環境保全(公害防止)のために国が定めた制度です。人間に例えると、健康診断のようなものでしょうか。

そして、その検査を経て、車両が道路運送車両法の保安基準に適合していることが証明されれば「自動車検査証(以下、車検証)」という公文書が発行されます。

車検証_012

私たちがクルマを信頼して運転をしたり、またクルマの近くを安心して歩行できたりするのも、この車検という制度があり、クルマの安全性がある一定の基準まで満たされているからといえます。

参照:道路運送車両法61条・62条

車検の有効期間は、車種・車両の使用年数によって違います

では、車検はどのくらいの間隔で受ければいけないのでしょうか。

これは車両の種類や使用年数によって変わってきます。一般的な自家用乗用車(※注1)においては、新車登録から3年後が初回の車検、その後は2年ごとに車検を受ける必要があります。また自家用乗用車の中でもキャンピングカー(ナンバープレートの分類番号が8で始まる車両)では、新車登録から初回まで2年、その後も2年ごとに車検が必要です。

そのほかトラックや二輪車(バイク)などでも車検の有効期間は、種別によりそれぞれ設定されています。

参照:自動車検査証の有効期間

 

(※注1)自家用乗用車:運輸営業を行う商業目的(緑ナンバー、営業ナンバー)以外の目的で使用するすべての自動車のこと

pixta_70313455_M

画像素材:PIXTA

また、車検は、あくまでもその時点で一定の基準に適合しているかの検査です。車検の有効期間の安全を証明しているわけではないので、車検の後も、きちんとクルマのメンテナンスをする必要があります。人間の健康診断で例えたように、診断した時点で健康だからといって、不摂生をしてはいけないのと同じですね。

車検を受ける時期の確認方法

自家用乗用車の場合、車検は2~3年に一度受けますが、これはクルマが公道を運行できる期間が切れるため、継続検査を受けて、その有効期間を更新するということです。車検証の有効期間が終わる前、いわゆる「車検満了日」までに継続検査をする必要があります。その日付を確認する方法は、2つあります。

① 車検証に記載されている、有効期間の満了する日を確認

② フロントガラス中央上部に貼られている「車検ステッカー」を確認

 

まだ一度も車検を受けたことがない、またはあまり意識をしたことがないという方は、一度確認しておいてもよいかもしれません。

車検証_全体_加工済み

① 車検証に記載されている、有効期間の満了する日を確認

車検ステッカー表遠め

② フロントガラス中央上部に張られている車検ステッカー(〇内に年号、下の数字が月を示しています)

車検ステッカー裏

車検ステッカーの裏面には、車検有効期間の日付まで記載されています

車検を受けられるのはいつから? 最適なのは、車検満了日の前の1か月以内

車検満了日は、車検証や車検ステッカーに、はっきりと●月■日と書かれています。

車検満了日を過ぎるのは絶対にNGですが、その日ちょうどに車検を受ける必要はありません。では、いつから受けられるのでしょうか。1週間前? 1か月前?実は、車検はいつでも受けられます。

その中でも、最適なのは、有効期間の満了する日(車検満了日)の1か月以内に受けることです。なぜなら、車検の満了日の1か月前か、それよりも早く受けるかで、次の車検を受ける日が変わってくるからです。車検満了日の1か月前以内なら、特例として次回の車検満了日から次回の車検日が計算されます。

【例:車検満了日が2021年3月20日の場合】

A 車検満了日1か月前より早い、2021年2月15日に申請した※場合

次回の車検満了日は2023年2月14日になります。

 

B 車検満了日1か月前以内となる、2021年2月25日に申請した※場合

次回の車検満了日は2023年3月20日になります。

※車検の検査を受けた日ではなく、運輸支局に申請した日で計算されます。

 

この例のように、車検は受けた日付が10日しか違わない場合でも、車検満了日の1か月前よりも先に車検を受けてしまうと、車検の基準日が変更され、結果として次回の車検満了日が早まってしまいます。そのため車検は、1か月前から満了日までに受けることをおすすめします。

もし、車検満了日を過ぎてしまったら……

pixta_38807316_M

画像素材:PIXTA

もし何かの事情で車検満了日を過ぎてしまった場合は、どう対処したらよいでしょうか。

 

車検満了日を過ぎた車両は、公道を走行できません。もし走行した場合、道路運送車両法の「無車検車運行」という違反になります。また、車検と同時に加入することが多い自賠責保険(※注2)も切れている可能性があり、これもまた「無保険車運行」として違反となります。

そうなると、

無車検運行:違反点数6点
無保険運行:違反点数6点

ということは、過去3年以内に違反がない場合でも、違反点数が合計12点で免許停止となります。

 

車検満了日を過ぎて、違反にならないように自動車を移動させるには、キャリアカーを手配したり、仮ナンバーを取得したうえで整備工場まで持っていったりと、大変な手間と費用がかかります。ただ、災害や新型コロナウイルス感染拡大など、多くの方にやむを得ない事由が発生した場合には、国土交通省から自動車検査証の有効期間を伸長する公示がされることもあります。

 参照:警視庁違反点数一覧表

 

(※注2)自賠責保険:「自動車損害賠償責任保険」の略称。原動機付自転車を含むすべての自動車が加入する義務がある。交通事故被害者の救済が目的。加入していない状況で公道を走行した場合など罰則を受ける。

車検は車検専門店やカー用品店、ディーラーなどで。事前予約をすること

そして、初心者にとって、もっとも悩ましいのが、車検をどこで受けたらよいのかということ。

新車で購入した場合、まず思いつくのがディーラーという方が多いのではないでしょうか。そのほかにも、車検専門店やカー用品店、一部のガソリンスタンドでも受けることができます。

車検を通すだけでなく、その後の点検やメンテナンスなどもお任せできるところに頼みたい方には、オートバックス車検がおすすめ。車検の早期予約割引やメンテナンスに関わる特典などがあります。車検だけでなく、メンテナンスもお得になるとうれしいですよね。

0_DSC4518ピット作業

また、個人で運輸支局にクルマを持ち込む、いわゆる“ユーザー車検”というものもあります。車検の前にクルマの整備/手続きできるくらいの知識と技術と時間が必要となり、時間に余裕があって、クルマの整備がひと通り自分でできる方向けの方法です。

 

一般的に7月・2月・3月は車検が混み合う時期と言われています。車検を依頼する場合は、前もって早めに予約をしないと、車検を受ける日程の都合が難しくなることがあります。車検の予約なら早い時期からでもできるので、余裕をもって準備しましょう。

 

 

車検の必要性や最適なタイミングが分かったら、次に気になるのが、その費用ではないでしょうか? もし、車検は高いと思っているなら、その費用の内容を把握しておくといいかもしれません。気になる車検整備の内容・費用については、こちらの記事で紹介しています。

この記事をシェア