車検ステッカー

公開:2023.6.23
更新:2023.6.23

2023年7月から車検ステッカーの貼り付け位置が変わります。今度はどこに?

みなさんは、クルマのフロントガラス上端中央に貼ってある車検ステッカー(検査標章)の目的を知っていますか? 実は2023年7月3日から、車検後に交付される車検ステッカーの貼り付け位置が変更になります。ここでは改めて車検ステッカーの形状の変遷や貼り付ける目的のほか、新しい貼り付け位置や注意点などについて解説します。

目次

車検(自動車継続検査)に合格すると交付される車検証と車検ステッカー

みなさんが乗っているクルマには、定期的に車検があって、それに合格すると、新しい車検証(自動車検査証)と車検ステッカー(検査標章)が交付されます。車検は、カー用品店やディーラー、民間の整備工場などの「認証工場」や「指定工場」で受けるのが一般的ですが、なかには「ユーザー車検」といって自分で点検して運輸支局で検査を受ける方もいます。

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車検の有効期限を示す車検ステッカーは、車検を受けるごとに新しいものに貼り替えます

車検証と車検ステッカーは運輸支局から交付され、車検を「認証工場」で行うか「指定工場」で行うかによって、受け取り方法に若干の違いがあります。

 

認証工場の場合は、引き渡しのときに新しい車検証が手渡され、車検ステッカーも新しいものに貼り替えられています。預かっている間に、認証工場での整備を行い、運輸支局での検査を経て、同時に車検証と車検ステッカーを交付してもらっています。

工具 スパナ、メガネレンチ

一方、指定工場の場合は点検整備実施後、運輸支局に代わって指定工場で検査を行うため、クルマの使用状況や状態にもよりますが、クルマを預ける期間が数時間~1日と短く済むケースが多いのが特徴です。

 

指定工場は、検査に合格した証明として保安基準適合証を発行した後、運輸支局で車検証と車検ステッカーの交付の手続きを行いますが、その間の車検証の代わりとして「保安基準適合標章」を検査が終わった車両に貼っておきます。

運輸支局への車検証の更新手続きで数日~10日ほどかかりますので、後日、車検証と車検ステッカーを指定工場へ取りに行くか、郵送してもらった経験がある方もいるでしょう。郵送してもらった場合は、新しい車検ステッカーは自分で貼り替える必要があります。

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検証と車検ステッカーが届くまで「保安基準適合標章」を付けておきます

車検ステッカーを貼り付ける理由

では、なぜ車検ステッカーを貼らなければならないのでしょうか?

そもそも車検ステッカーは、車検の有効期限がすぐにわかるようにして無車検運行を防止する目的でつくられたもので、昭和26年に施行された道路運送車両法第66条で規定されている制度です。国の定めた安全・環境基準を満たした安全な車両(車検の有効期限内の車両)でなければ、公道を走行できないようにしています。

したがって、車検ステッカーをむやみに剥がしたり、貼り忘れていると50万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

時代とともにサイズやデザインが変化してきた車検ステッカー

古くからクルマに乗っている方は覚えているかもしれませんが、乗用車の場合、平成15年まで車検ステッカーのサイズは、紙製の縦横70mmの比較的大きなものでしたが、平成16 年には縦横30mmの小さなサイズに変更されました。しかし、サイズ縮小による視認性の低下が課題となり、平成20年には同じサイズのまま文字を大きくし、平成29年にはさらに視認性を高めるために縦横40mmに拡大し、文字の大きさやデザインも変更されました。また、軽自動車も平成26年から新しいデザインに変更されています。

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平成20年から使用されていたデザイン(左上)に比べ、平成29年からのデザイン(右上)は表示面積や文字が大きくなっています <出展:国土交通省> (下)軽自動車の車検ステッカーは、平成26年時点の乗用車と同じようなデザインになっています <出典:軽自動車検査協会

2023年7月3日から車検ステッカーは「前方かつ運転者席から見やすい位置」に

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これまで、車検ステッカーの貼り付け位置は、フロントガラスの内側に「前方から見やすい位置に貼り付ける」という風に定められていました。

 

具体的には、ルームミラーがある一般的なクルマの場合は、フロントガラスの上部中央付近。また、トラックなどルームミラーのないクルマの場合は、運転者からもっとも遠いフロントガラスの上部とされています。さらに、フロントガラス上部が着色されていて外側からステッカーを確認することができない場合は、確認できる位置まで下側にずらした位置に貼り付けることになっていました。

 

ところが、2023年7月3日からは、前方かつ運転者席から見やすい位置」に変更されます。具体的には、運転席側上部で車両中心から可能な限り遠い位置に貼り付けることになりました。つまり、右ハンドル車の場合は、フロントガラス上部右側に貼り付けることになったわけです。

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新しい貼り付け位置はフロントガラス上部右側に変更されます(右ハンドルの場合) <出典:国土交通省

では、なぜこのような位置に変更されたのでしょうか?

これまでのようにフロントガラス上部中央に貼り付けていると、車検満了日の記載がルームミラーに隠れて見えないことがあるので、運転者からも見やすい位置に変更することで、うっかり失効(車検切れ)を防ぐのが目的のようです。

7月3日以降に車検するときに、新しい位置に貼り替えればOK!

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今回の変更は2023年7月3日以降から施行されますが、現在、貼り付けてある車検ステッカーの位置は変更する必要はなく、そのままでOK。

その代わり、7月3日以降の車検時には新たな位置に貼り付ける必要があります。

 

なお、すでにフロントガラスにドライブレコーダーやETC受信機器などが貼り付けてあって、フロントガラス上部右側(右ハンドルの場合)に車検ステッカーを貼れない場合、あるいは貼ると視界を妨げる場合は、例外として「運転者の視野を妨げない前方かつ運転席から見やすい位置」に貼り付付けることも可能です。

 

車検をした場所によっては、自分で車検ステッカーを貼り付けるケースがあるので、今回の変更を知っておけば安心ですね。

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