マーク

公開:2022.3.25
更新:2023.1.11

【くるまめ知識】 自動車に貼るさまざまな標識(マーク)の意味とは?

自動車の運転免許を取得した人なら、一度は初心運転者標識(初心者マーク)を貼ったことはあるはずですよね。自動車には、他にもさまざまな標識(マーク)がありますが、それらの意味や標示義務など知っていますか? 自動車に貼るさまざまなマークについておさらいしましょう。

目次

自動車の運転者が標示する標識(マーク)の種類

道路交通法で記載のあるマークには、「初心運転者標識」、「高齢運転者標識」、「聴覚障害者標識」、「身体障害者標識」の4つがあります。このうち罰則付きの標示義務があるのは、初心運転者標識と聴覚障害者標識で、あとの2つは努力義務となっています。

 

危険防止のためやむを得ない場合を除き、これらのマークを標示している車両に対して、必要以上に幅寄せしたり車間距離を詰めたりすることは道路交通法違反になります。

 

これらのマークは、車体の前面と後面の両方に取り付けること、取り付け場所は地上0.4~1.2mの見やすい位置にすることと、明確に定められています。

これらのマークを車両に取り付けるときには、マグネットタイプや吸盤タイプ、などさまざまなタイプがあり、カー用品店やホームセンター、100均ショップ、ネットなどで購入可能です。

初心者マークや若葉マークでおなじみの「初心運転者標識」

1_初心運転者標識

初心運転者標識が正式名称のこのマークは、初心者マークや若葉マークと呼んだ方がなじみ深いかもしれませんね。

このマークを貼る義務があるのは、普通自動車または準中型自動車の免許取得後1年未満の方(免除規定あり)です(道路交通法 第71条5)。標示しない場合は、道路交通法違反となり、普通車は4,000円、大型車(準中型)は6,000円の反則金が課されるほか、行政処分として違反点数が1点加算されます。

70歳以上の方なら活用したい「高齢運転者標識」

2_高齢運転者標識

年齢が70歳以上で、普通自動車の運転が可能な人が取り付ける「高齢運転者標識(高齢運転者マーク)」は、高齢者マークや四つ葉マーク、もみじマークと呼ばれます(道路交通法 第71条5の4)。こちらは努力義務のため、標示をしなくても罰則はありません。

 

このマークを標示している車両に対して周囲の車両は配慮する必要があります。加齢に伴う判断力や身体能力の低下はなかなか気づきにくいもの。70歳を超えたら早めに活用しはじめることを考えてもいいかもしれませんね。

2_高齢運転者マーク_新旧

左:現行デザイン(四つ葉マーク)、右:旧デザイン(もみじマーク)

以前はオレンジと黄色で葉っぱの形の「もみじマーク」でしたが、平成23年2月1日からデザインが変更され、四つ葉のクローバーをモチーフにしたデザインが主流です。どちらのマークも「高齢運転者標識」として使用できます。

緑地に黄色チョウのマークは「聴覚障害者標識」

3_聴覚障害者標識

「聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)」の標示は、聴覚障がい(10m離れた所で90デシベルの警音器の音が聞こえない方)を理由にワイドミラーの装着といった条件付きで普通自動車対応免許を保有している人が対象です(道路交通法 第71条6の2)。

 

チョウチョにも見えるマークは、左右の耳をモチーフにしたデザインです。このマークを標示している車両を見かけた場合、周囲の運転者はクラクションの音を聞き取れない可能性があることを理解し、他のマークと同様に、幅寄せや割り込みをするのは避け、安全に配慮しましょう。

 

聴覚障害者標識の標示は義務になっていて、標示しない場合は初心運転者標識と同様の罰則があります。

青地に白のクローバーは「身体障害者標識」

4_身体障害者標識

「身体障害者標識(身体障害者マーク)」の標示は、肢体が不自由な方が条件付きで普通自動車対応免許を保有している方対象です(道路交通法第71条6の3)。別名「四つ葉マーク」「クローバーマーク」とも言われています。「四つ葉マーク」は、高齢運転者標識も同じ呼び方をすることがあるので混同しないようにしましょう。

 

このマークは努力義務となっており、標示をしなくても罰則はありません。クローバーマークを標示している車両に対して配慮し、思いやりのある行動を心がけましょう。

車いすのマークは、国際シンボルマーク

5_車いすマーク_国際シンボルマーク

車いすのマークをつけている自動車を見かける機会が増えてきました。このマークは、車いすを使用している人が自動車に乗っていることを示すものではありません。「国際シンボルマーク」のひとつで、車いすが必要な方に限らず、すべての障害をもつ人々が利用できる建築物や施設を示す世界共通のマークです。今までご紹介したマークとは異なり、道路交通法における拘束力はありません。

 

とはいえ、周囲に対してどんな方が乗っているのか知らせられるので、運転中に車いすマークの自動車を見かけたら、思いやりのある運転を心がけたいものですね。

標識(マーク)に関係なく、思いやりのある運転を

自動車に標示するマークはさまざまなものありますが、義務であるマークは当然のこととして、努力義務のものも標示することは、周囲へのコミュニケーションのひとつになります。それぞれのマークがもつ意味を、お互いに理解しておけば、思いやりのある運転ができるのではないでしょうか。

 

クルマは毎日の暮らしに欠かせない大切なもの。だからこそ、みんなが気持ちよく運転できるような気づかいを持てるとうれしいですよね。マークがついてなくとも、みんなが思いやりある運転を心がければ、クルマがもっと安全で安心なものになるかもしれません。

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