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公開:2023.2.27
更新:2023.2.27

2023年4月1日スタート! 自転車用ヘルメットの着用努力義務とは?

みなさんは、2023年4月1日から「自転車に乗る全ての人は、ヘルメット着用が努力義務になる」ことをご存知ですか? ここでは、そのルールの内容や自転車用ヘルメットを選ぶ際のポイントなどについて紹介します。新しい交通ルールをしっかり覚えて、お子さまをはじめ周りのかたにも教えてあげましょう。

目次

自転車の交通事故は、被害者にも加害者にもなりうる

自転車は、手軽で便利な乗り物なので、老若男女問わず多くの人に愛用されています。ところが、交通事故全体に占める自転車関連事故の割合は年々増しており、警察署や自治体では、自転車の安全利用についてさまざまな形で注意喚起を行っています。

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乗車用ヘルメット着用促進リーフレット」によると、自転車と自動車がからむ事故では自転車側の法令違反が78%、さらに自転車と歩行者がからむ事故になると自転車側の法令違反が100%になります。つまり、自転車に乗っていると、交通事故の被害者にも加害者にもなりえます。自転車に乗る全ての方は(お子さまも含む)、きちんと法令を守って安全に利用したいものです。

自転車用ヘルメットは、もしものときに大切な命を守ってくれる

自転車に乗っていて不幸にして亡くなってしまった方の大半は、頭部損傷が原因となっています。また、ヘルメット着用の有無で比べてみると、未着用時の致死率は約3倍(令和2年)に跳ね上がります。したがって、お子さまを自転車に乗せたり、運転させる場合は、必ずヘルメットを着用しておくこと、また大人であっても面倒がらずかぶることで、もしものときに重大な被害となるのを避けられる可能性があります。

リーフレット裏面_抜粋

乗車用ヘルメット着用促進リーフレット」<出典:警察庁・都道府県警察>

2023年4月1日から「自転車の乗車用ヘルメット着用努力義務化」がスタート

2022年4月27日に公布された道路交通法の一部改正で、2023年4月1日から、全ての自転車利用者に対して、自転車の乗車用ヘルメット(以下、自転車用ヘルメット)の着用努力義務化がスタートすることになりました。

改正前の道路交通法では、児童(13歳未満の子ども)の保護者は、子どもに自転車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければなりませんでしたが、改正後は自転車に乗る全ての方がヘルメットをかぶるよう努めなければならなくなったわけです。この法令には罰則はありませんが、もしものときの身を守るためには自転車用ヘルメットはとても大切です。

 

なお、各地方自治体では、独自の条例を設けているケースや自転車用ヘルメットの購入補助制度があるので、お住いの自治体や警察署のHPなどでチェックしておくとよいでしょう。

【2023年3月31日までの道路交通法】
(児童又は幼児を保護する責任のある者の遵守事項)
第63条の11

児童又は幼児を保護する責任のある方は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

2023年4月1日以降の道路交通法
(自転車の運転者等の遵守事項)
第63条の11

第1項 自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。

第2項 自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

第3項 児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

自転車用ヘルメットの選び方と注意点

これまで述べてきたように、自転車用ヘルメットをかぶっていれば、自転車事故に遭った際の死亡リスクが減ることはご理解いただけたと思います。しかし、自転車に乗る際のヘルメットは、何でもよいというわけではありません。自転車用ヘルメットの選び方やかぶり方について紹介します。

【自転車用ヘルメットの選び方】

・身近にある野球用やスノーボード用のヘルメットなどでは、万一の際に機能を発揮しない可能性があるので、きちんと自転車用ヘルメットを選びましょう

・サイズが大きすぎると転倒の際にヘルメットが脱げる可能性があり、逆に小さすぎると痛みや不快感の原因になるので、適切なサイズを選ぶのもポイント。とりわけ、成長期のお子さまの場合は、こまめにサイズを点検して、小さくなっていたら買い替えましょう。

SGマークやCEマークなど、安全基準をクリアしている自転車用ヘルメットでないと、万一の際に頭部損傷のリスクが高まる可能性があります。また、安全基準をクリアしたヘルメットでないと、自転車向け保険の補償や自治体などの購入補助金を受けられないこともあるので、注意が必要です。

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自転車用ヘルメットの安全基準例 <出典:愛知県豊田市>

【自転車用ヘルメットの正しいかぶり方】

① 正しい角度で装着する

ヘルメット本来の機能を発揮するためには、正しい角度で装着することが大切です。ヘルメットの先端が、まゆ毛のすぐ上にくるように角度を合わせて左右均等にかぶるとよいでしょう。

 

② あごひもの長さを適切に調節する

自転車乗車中のほか、万一の転倒や事故の際にヘルメットが外れてしまわないように、あごひものバックルをしっかり締めましょう。締め具合のコツは、あごとあごひもの間に人差し指一本が入るほどの余裕があるようにします。

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大人も子どもも自転車に乗るときは、命を守るヘルメットを

今回は2023年4月1日からスタートする「自転車の乗車用ヘルメット着用努力義務化」について紹介しました。これを機に、大人も子どもも自転車用ヘルメットを積極的にかぶるよう心がけていただければ幸いです。自転車に乗る人全てが法令を守って、安全運転を心がけましょう。

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