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公開:2023.3.13
更新:2023.3.13

「自転車安全利用五則」ってなに? 自転車に乗るときもルールを守って安全運転を!

クルマはとても便利な乗り物ですが、近所までのお買い物や散歩に行くときは使い勝手のよい自転車を利用することもありますよね。「自転車は車のなかま」なので、お子さまといえども自転車に乗ったら守らなければならない交通ルールがあります。ここでは、自転車に乗るときの基本ルールとなっている「自転車安全利用五則」について紹介します。 自転車には運転免許は必要ありませんが、大人も子供も手軽に乗れる便利な乗り物なだけに、今回紹介する「自転車安全利用五則」や注意点を参考にして、事故のないように乗りましょう。

目次

「自転車安全利用五則」とは?

健康志向の高まりや環境への配慮などによって自転車への注目が高まっていますが、それとともに自転車が関係する交通事故は増加傾向にあります。最近は、自転車利用者のルール違反やマナーの悪さなどがクローズアップされることも増えてきました。

 

警察庁交通局の「令和3年度の交通事故の発生状況」によると、令和3年(2021年)中の自転車が当事者となった交通事故は約7万件で、交通事故全体の22.8%を占めています。また、小・中学生、高校生の自転車関連死亡・重傷事故では、約80%に安全不確認や一時不停止などの法令違反がありました。

このような背景を受けて、2022年11月1日に交通対策本部の決定により制定されたのが「自転車安全利用五則」。これは、自転車に乗るときに守るべき交通ルールを分かりやすく伝えるために、特に重要なものを5つにまとめた基本的なルールです。

表1

<出典:警視庁

【自転車安全利用五則】
1.車道が原則、左側を通行
    歩道は例外、歩行者を優先
2.交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
3.夜間はライトを点灯
4.飲酒運転は禁止
5.ヘルメットを着用

 

こちらが「自転車安全利用五則」に定められた基本ルールですが、具体的にはどんな内容なのでしょうか? 順を追って説明しましょう。

1.車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先

道路交通法上、自転車は軽車両と位置づけられているので、歩道と車道の区別のあるところは、車道の左側を通行するのが原則です。

また、例外で「普通自転車歩道通行可」の標識・表示がある場合などは歩道を通行できますが、歩道は歩行者優先です。自転車は、車道寄りの部分をすぐに停止できる速度で通行するのがマナー。歩行者の通行を妨げるときは、一時停止しなければなりません。

 

<例外的に歩道を通行できるケース(普通自転車に限る)>

・歩道に道路標識や道路標示によって歩道を通行することができることとされているとき

・13歳未満の子ども

・70歳以上の高齢者

・車道通行に支障がある身体障がい者

・車道または交通の状況に照らして、自転車の通行の安全を確保するため、歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき

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「普通自転車歩道通行可(右)」の標識・表示がある歩道は、普通自転車が通行することができますが、あくまでも歩行者優先です <出典:内閣府 交通安全イラスト集>

2.交差点では信号と一時停止を守って、安全確認

当然のことですが、信号や一時停止の標識が設置されている交差点では、自転車も人やクルマと同じように指示に従う必要があります。

また、信号や一時停止の標識がない交差点においても、スピードを落とさず進入するのは大変危険です。筆者も同じようなシチュエーションで、ほかの自転車と出会い頭に衝突しかけてヒヤリとした経験があります。同様に狭い道から広い道に出るときも要注意なので、このような場所では必ず徐行して安全確認をしましょう。

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歩行者用の信号も無視はもちろんNG! 一時停止の標識がある場所では、必ず止まって左右を確認するようにしよう <出典:内閣府 交通安全イラスト集>

3.夜間はライトを点灯

最近は、暗くなると自動的にライトが点灯するオートライト付きの自転車が増えてきましたが、手動で点灯させる必要があるLEDライトやダイナモ式ライトの自転車では、夜間にライトを点灯するのを忘れないようにしましょう。

また、ライトで前方を照らすだけでなく、テールランプ用の赤色LEDライトや反射板などで後方へのアピールも忘れずに! 特に、後方は点滅式の赤色LEDランプを取り付けておくと効果的です。夜間は自転車が見えづらくなるので、周囲のクルマや人に自分の存在を早めに知ってもらうことが重要です。

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夜間は必ずライトを点灯して走りましょう! <出典:内閣府 交通安全イラスト集>

4.飲酒運転は禁止

自動車の場合、飲酒運転は絶対NG! という概念は多くの人に定着していますが、自転車でも同じです! とりわけ、通勤などで最寄駅まで自転車で通っている人は、帰り際に少しでもお酒を飲んでしまったら、駐輪場に置くなど、自転車には乗らずに帰りましょう。

ちなみに、自転車で酒酔い運転をした場合の罰則は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と厳しいうえ、人を傷つけることもあるので、自転車といえども飲酒運転は絶対にNG! です。

5.ヘルメットを着用

自転車事故で亡くなった人のうち、半数以上の人が頭部に致命傷を負っているので、このデータからもヘルメットの大切さはよく理解できるはずです。道路交通法の一部を改正する法律では、すべての年齢層の自転車利用者に対して、「乗車用ヘルメットの着用の努力義務」が2023年4月1日から施行されることになりました。自分や自転車に乗るお子さまの命を守るために、自転車に乗るときはヘルメットを着用するよう心がけましょう。

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乗車用ヘルメット着用の努力義務は2023年4月1日からスタート。安全のために着用を習慣化しましょう <出典:内閣府 交通安全イラスト集>

「自転車安全利用五則」以外にも注意したい点

自転車は大人にも子どもにも手軽で便利な乗り物ですが、ここで紹介した「自転車安全利用五則」は自転車に乗るうえで最低限守っておきたいルール。実は、このほかにも並走、2人乗り、過積載、傘を持ちながらの運転、スマホを操作しながらの運転、イヤホンで音楽を聴きながらの運転などは大変危険なので、このような乗り方をしないことも大切です。

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<出典:内閣府 交通安全イラスト集>

自転車は、運転免許が必要なく、大人も子どもも手軽に乗れる便利な乗り物です。今回紹介した「自転車安全利用五則」や注意点を参考にして、安全運転を心がけて自転車に乗っていただければ幸いです。

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