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公開:2023.4.26
更新:2023.4.26

アルコールチェック義務化とは? 飲酒運転をなくして安全・安心な暮らしを

「飲酒運転を絶対にしない、させない」ということは当たり前。でも、残念ながら、飲酒運転による痛ましい事故はいまだに後を絶ちません。そのような中、道路交通法の改正により、業務使用している自家用自動車にもアルコールチェックの義務化を拡大し、飲酒運転防止対策が強化されました。飲酒運転の根絶に向けては、法令の整備はもちろん、私たち一人ひとりが意識を高めていくことも大切ですよね。今回は、アルコールチェック義務化について、その対象者やアルコール検知器などについて解説します。

目次

アルコールチェック義務化ってなに?

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令和4年4月から順次施行されている改正道路交通法施行規則では、安全運転管理者※による運転者の酒気帯び状態の有無について確認することが義務づけられました。

この背景には、令和3年6月に千葉県八街市で起きた、下校中の児童5名が飲酒運転のトラックにはねられたという痛ましい交通事故があります。この事故を受けて道路交通法が改正され、今までタクシーやトラックなどのいわゆる緑ナンバー車両では義務化されていたアルコールチェックを、一定の基準を満たした白ナンバーの社有車を使用する事業者にも拡大しました。

※安全運転管理者とは、道路交通法に基づき、一定以上の台数の自家用自動車を保有する事業所において、運行計画や運転日誌の作成、安全運転の指導を行う者です。

対象となる事業者(安全運転管理者の選任が必要な事業者)

アルコールチェック義務化となるのは、以下の基準のいずれかを満たした事業者です。

・乗車定員が11人以上の自動車1台を以上保有する事業所
・そのほかの白ナンバー自動車5台以上を保有する事業所
※自動二輪車(原動機付自転車を除く)は1台を0.5台として計算。
※従業員のマイカーを業務で利用する場合には、この台数のカウントに入ります。

 

この条件を満たした事業者は、自動車を使用する事業所ごとに安全運転管理者を選任します。安全運転管理者は、自動車の安全な運転に必要な業務として、交通安全教育や運行計画の作成、運転車の適性等の把握などに加え、アルコールチェックを実施します。

アルコールチェックの方法

安全運転管理者によるアルコールチェックは、具体的に次のような確認を行います。

 

目視などにより運転者の酒気帯びの有無の確認を行うことおよびその内容を記録して1年間保存すること(令和4年4月1日から施行)

アルコール検知器を用いて運転者の酒気帯びの有無の確認を行うことならびにその内容を記録して1年間保存することおよびアルコール検知器を常時有効に保持すること(令和4年10月1日から施行※)

 

このうち②は、アルコール検知器の供給状況を踏まえ、当分の間適用せず、①の適用を読み替えて運用されています。

参考:警察庁「安全運転管理者の業務の拡充等

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アルコール検知器(アルコールチェッカー)ってどんなもの?

アルコールチェッカーは、機器に息を吹きかけて、体内の残留アルコール濃度を測定する機器です。アルコールチェッカーを用いることで、見た目の様子からだけではわからない微量の酒気帯び状態も数値化できるようになります。

 

機器は据置型や携行型があります。携行型で電池交換式のものは、オートバックスやホームセンターなどで手に入り、事業所だけではなく個人でも手軽に利用しやすいタイプです。

また、測定した数値をクラウド上に保存できるタイプもあります。事業所の安全運転管理者が一元管理しやすく、遠隔地でもアルコールチェックできるクラウド型アルコールチェッカーとして「ALCクラウド」があります。

クラウド型アルコールチェッカー「ALCクラウド」

ALCクラウド」は、法人に向けたサービスで、事業所の運転者のアルコールチェック情報をクラウド上で管理できます。スマートフォンと連携して簡単に測定でき、遠隔地でもリアルタイムで測定結果を確認できます。さらに、アルコールチェックのときに、カメラ撮影機能を用いて、なりすましを予防できます。

ALCクラウド

ALC クラウド」運転前後のドライバーの 酒気帯び状態をチェックし、 その情報をクラウド上で管理するサービスです

「飲酒運転を絶対にしない、させない」をみんなで守って、交通事故のない社会を

飲酒運転においては、「このくらいのお酒の量なら大丈夫」という過信は絶対に禁物です。運転する人は「飲酒運転は絶対にしない!」、周りの人も「飲酒運転を絶対にさせない!」という強い意志で飲酒運転による事故を根絶することができます。

SDGs(持続可能な開発目標)の目標3のターゲット6にあるように「2030年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる」ことを目指して、わたしたちの身近なところから交通安全に取り組めるといいですね。アルコールチェッカーを上手に活用して、安全・安心な暮らしを守りましょう。

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