黄色の「ABS警告灯」はどんな意味? 点灯したときの対処法
エンジンをかけるとメーターパネルの中で一瞬光る警告灯の表示。その中に“ABS”の文字を見つけた方もいるかもしれません。この黄色く光る“ABS”の文字が何を意味するかご存じでしょうか。今回は、ABSの仕組みや「ABS警告灯」が点灯したときの対処方法について解説します。
目次
黄色の“ABS”の文字は「ABS(アンチロック・ブレーキシステム)警告灯」
黄色の“ABS”の文字があるアイコンは、「ABS警告灯」のマークです。
ABSとは、「アンチロック・ブレーキシステム(Antilock Brake System)」の略で、急ブレーキをかけたときにタイヤがロックされるのを防ぎ、車両の走行安定性を保つ装置です。
例えば、雪道や凍結路(アイスバーン)などの滑りやすい路面で、急ブレーキをかけるとタイヤがロックされて回転しなくなり、クルマが横滑りしたり、ひどいときにはスピンしはじめたりします。また、タイヤがロックされているとハンドル操作が効かず、障害物を回避することができなくなります。
このようなとき、ABSによってブレーキ制動力を維持しながら、ハンドル操作して危険を回避できる可能性を高めます。
ABS作動中は、強くブレーキペダルを踏み続ける
ABSは、ブレーキペダルを深く踏み込んだときタイヤがロックしそうになるのを感知して、ブレーキの解除・作動を繰り返しながら、最適なブレーキ制動力によりクルマの安定性を保ちます。
効果的にABSの機能を作動させるためには、強くブレーキペダルを踏み続けることが大切です。
ABS作動中は、ブレーキペダルが小刻みに震えたり、ギギギという作動音が聞こえたりしますが、これはABSが正常に動作していることを意味します。そのままブレーキペダルを強く踏み続けましょう。
また車種によっては「ブレーキアシスト機能」といって、ブレーキを踏み込む力をサポートしてくれる装置が搭載されているものもあります。クルマ選びのときにブレーキアシスト機能がついているか確認するといいですね。
ABS警告灯が点灯したときの対処法
この「ABS警告灯」は、急ブレーキをかけてABSが作動したときに点灯します。ABSの作動が終われば、何もしなくても自動的に点灯が解除されます。ABS警告灯の消灯を確認したら、再度走り出しても問題ありません。
しかし、ゆっくりとブレーキペダルを踏んだときや、ブレーキをかけていないときにも点灯している場合はセンサーやシステムに異常があるのかもしれません。まずは次の手順で、消灯するか試しましょう。
「ABS警告灯」が消えないときは
ABS警告灯が点灯しているときでも、普通のブレーキは効くので、急ブレーキや高速走行を避けて安全な場所に速やかに停車しましょう。エンジンを一度切って、再度エンジンをかけてみて、ABS警告灯が消えれば異常はありません。もし点灯したままの場合は、整備工場やディーラーで早めに点検を受けましょう。
ABS警告灯を点灯させないように安全運転を
「ABS警告灯」は、ブレーキそのものに問題や故障があることを示すものではありません。ただし、不要なタイミングで点灯し続けているときはシステムやセンサーが故障している可能性もあります。いざというときにABSが作動せず、大きな事故やトラブルを引き起こすおそれがあるので、早めに点検を受けましょう。
そして、大切なのはABS警告灯が点灯するような急ブレーキをかける状況にならないようにすること。いつでも余裕を持った安全運転を心がけたいですね。