ワーゲンバスとともに、家族の思い出を写真におさめるーーフォトコンテスト大賞受賞者のカーライフ
『暮らしとくるま』では、“クルマのある暮らし”の魅力を伝える記事の掲載やフォトコンテストを開催しています。今回は『暮らしとくるまフォトコンテスト2025(夏)』で大賞を受賞されたmocchi197539さんにお話を伺いました。大阪在住のmocchi197539さんは、幼いころから憧れていたワーゲンバスに家族を乗せて、キャンプや旅行のお出かけ先で記念撮影を楽しまれています。 「写真を撮ることは、家族の成長を残すこと」――そんな想いを胸に撮影をする、mocchi197539さんのカーライフを紹介します。
目次
理想の一枚を求めて、絵画のように風景を捉える
―大賞、おめでとうございます! mocchi197539さんは受賞作をはじめ素敵な写真ばかりですね。撮影のときに意識していることはありますか?
僕は、昔から絵を描いたり、何かをつくったりという技術的なことが好きで、「絵と写真はほぼ一緒」だと思っているんです。
絵は、頭の中で「こんなん書きたい」って完成図をイメージしながら書きますよね。
写真も同じで、頭の中のイメージに近い一枚を求めて何十枚も撮ります。
写真を撮るときは「自分のクルマも入れたい、あと家族も入れたい。どないしたらええ感じに映るかな」と考えています。子どもたちに何度も座る位置を変えてもらって、調整を重ねるうちにイメージにピタっとハマる瞬間がくるんです。
『暮らしとくるまフォトコンテスト2025(夏)』 大賞作品
―ご家族の協力があってこそなんですね。普段から家族写真は多く撮られていますよね。
そうですね。「遊びに行ったら家族写真は撮ろう」と決めています。同じ場所・同じシチュエーションで撮っている写真があるんですよ。お正月には、毎年恒例行事として、住吉大社の太鼓橋で写真を撮りますね。
―背の順の家族写真が印象的ですが、写真から時間の流れも感じますか?
やっぱり子どもたちも成長したなあと思います。子どもたちの身長が伸びてきて、そろそろ自分も抜かされるかもしれません(笑)
2022年4月ごろ
2023年11月ごろ。よく見ると背の順が入れ替わっていますね
キャンプで育まれる、家族の笑顔と記憶
キャンプで行ったふもとっぱらの景色には感動しました。1回目は曇りでしたが、2回目は初日の朝からずっと快晴で、富士山が本当にきれいに見えたんです。でも、その翌朝起きると、テントの外は4月なのに雪が積もっていて、印象深い経験でした。
―4月に雪とは貴重な経験ですね。キャンプ中はいつもどのように過ごしますか?
まずは、子どもたちに手伝ってもらいながらキャンプの設営をして、設営したあとはモルックというゲームをやったり、木工で遊んだりしています。僕の精神年齢は子どもと同じなので(笑)、子どもと一緒に遊ぶのが大好きです。
木製のテーブルやチェアはすべてmocchi197539 さんの手づくり
ゲームの「モルック」もmocchi197539 さんの手づくり
遊んだあとは、みんなでご飯の支度をして、夜は焚き火を囲んでくつろいでいます。
最近は、「キャンプでプロジェクターあったらええよねえ」と、妻がネットで見つけてきて、小型プロジェクターを買ったんです。テントの中で見たら、けっこうきれいに見えてよかったです。
うちはキャンプに行くときは、普通にご飯をつくって食べる、テントに泊まるだけではなくて、プラスαで楽しみをつくるようにしています。何か面白いこと、子どもの記憶に残るようなことをずっとやりたいと思っています。
―「記憶に残るキャンプ」、素敵ですね!
幼いころからの憧れを実現。ワーゲンバスに囲まれた暮らし
―大切にされているワーゲンバスは、かなり古い車種とのことですが、手に入れたきっかけはなんですか?
小さいころから“かわいいミニカーのおもちゃ”としてなじみがあり、憧れていたんです。とはいえ、免許取りたてのころは、輸入車にはなかなか手を出せませんでした。でもあるとき、偶然ワーゲン専門誌を発見して飛びついたんです。
掲載されていたショップに足を運び店員さんに相談してみると、抱えていた心配要素が解消されたうえに、自分の好みを伝えてこのクルマにも偶然出会えました。私のクルマは製造から65年ほど経つのですが、一発で購入を決断しました(笑)。
ボディカラーは期間限定色のマンゴーグリーン。自分では、柏餅の葉の色に似ているので、”かしわもち”と呼んでいます(笑)。
―かわいい愛称ですね。ワーゲンバスのグッズもたくさん揃えられていますね。
はい、ついつい集めたり、つくったりしてしまいます。
お友達がつくってくれたという羊毛フエルトのワーゲンバス
―お誕生日ケーキもワーゲンバスでしたよね。
昔から妻に欲しいなあと言い続けて、やっと50歳の誕生日でもらえたんです。うれしかったですね。
―ワーゲンバスの上靴がかわいいですが、こちらはご自身で描かれたとか。
そうです、昔から絵を描いたり、何かつくったりっていう技術的なやつが好きで。ものづくりが好きなんでしょうね。
自分で描いたのは、結婚式のときの絵もそうです。クルマを買ったあとに結婚したので、妻も運転できるようマニュアル免許を取ってもらったんです。結局、あまり運転してくれないのですが(笑)
結婚式のイラストにもワーゲンバスが
―木製のランタンハンガーもご自身で制作されているんですか。
はい。既製品でスチール製のものがありますが、スチール製だとクルマが傷つきそうだと感じたので、木でつくりました。そのときはちょうどコロナ禍で、時間もたっぷりあったので。イベントのときに使っていると、周りの方からも欲しいという声をいただきました。
これからも記憶に残り続ける、大切な家族とワーゲンバス
― ご家族でワーゲンバスでお出かけされていますが、お子さまも気に入ってるのですか?
はい。生まれたときからこのクルマしか知らないので子どもにとって、ワーゲンバスはあって当たり前で「なくなることは考えられへん」って言っていますね。
―そうなんですね。では、お子さまが大きくなったら、ワーゲンバスを運転する日が来るかもしれないですね。
あるかもしれませんが、なかなか貸さないかもしれません(笑)
―今後mocchi197539さんがやってみたいことや、夢を教えてください。
沖縄は子どもたちが小さいころから家族旅行で何度も訪れていて、私も家族も大好きです。子どもたちが大きくなっても旅行についてきてくれるのがうれしいですね。ただ、中学生になってからは部活が忙しくなってしまったけれど、また家族で行きたいと言ってくれています。いつか沖縄に、ワーゲンバスで行くのも夢ですね。
これからも続く、仲良し家族のカーライフ
写真撮影は、mocchi197539さんにとっては絵を描くことや木工のように“表現のかたち”のひとつ。一枚の写真に風景の美しさと家族との旅の一瞬を描き、時と場所を変えて何度も撮り重ねることで、家族の成長の様子を紡いでいきます。
その原点には、mocchi197539さんのクルマとともに過ごす日常や、子どもたちの成長を見守るやさしいまなざしがあります。
これからもワーゲンバスとともに、温かな家族の物語が続いていくことでしょう。
