
「DC/ACインバーター」があれば車内で家庭用コンセントが使える!
車内の電源は、クルマ用に設計されたアクセサリーソケットから、DC12Vタイプのポータブル掃除機や扇風機などの機器を使うことができます。ところが、家庭用のコンセント型のAC100Vで動く機器は、PHEV(プラグインハイブリッド)など一部のクルマを除き、ほとんどのクルマで使うことができません。そんなときに役立つのがDC/ACインバーターという機器。今回はBALの「DC/ACインバーター 120W」という製品を使って、実際にAC100Vの機器がきちんと動くどうか試してみました。
目次
クルマにも家庭と同じAC100Vコンセントが欲しい!

クルマの中で家庭用コンセントが使えるようになる「DC/ACインバーター」
クルマには、かつてタバコに火を付けるためのシガーライターソケット、今はアクセサリーソケットという名のDC12Vが付いています。最近ではスマホなどの携帯端末を充電できるDC5VのUSB端子を装備しているクルマも増えてきました。当然のことですが、これらの端子はいずれもDCタイプなので、家庭用コンセント(AC100V)の機器を使うことはできません。
ところが、最近人気のキャンプでは家庭用の調理器具や暖房器具を使うケースが増えているほか、コロナ禍の影響でクルマへパソコンを持ち込んで仕事をしたいというニーズも少しずつでてきているので、「クルマにもAC100Vコンセントが付いていれば便利なのに! 」と考える人が増えてきています。
※ここではDCやACの詳細な説明は省きますが、DCは直流、ACは交流で、それぞれ電気の流れ方が違うものとご理解ください。

最近のクルマはオプションでAC100Vのアクセサリーコンセントを用意する車種が増えてきた <出典:トヨタ>
「DC/ACインバーター」って、どんなもの?
一般的なクルマはDC12V(直流12V)の電流で電気系統が制御されていますが、家庭用電化製品はAC100V(交流100V)で使用するように設計されています。そのままではクルマの中で使うことができません。ところが、「DC/ACインバーター」があれば、クルマから流れるDC12Vの電気を使ってAC100V に変換してくれるので、クルマの中でも家庭用電化製品が使えるようになります。つまり、「DC/ACインバーター」とは、DV12VからAC100Vに変換してくれるとても便利な機器です。

BAL(大橋産業株式会社)の「DC/ACインバーター 120W NO.2802」。コンパクトで手のひらに収まるサイズ
使い方はカンタン! アクセアリーソケットにプラグを挿すだけ
今回テストしたBAL(大橋産業株式会社)の「DC/ACインバーター 120W NO.2802」は、本体に電源スイッチなどはなく、コードの先に付いているソケットをクルマのアクセサリーソケットに挿すだけで動作します。ただし、使用する際はあらかじめエンジンを始動(ハイブリッド車などはパワースイッチがONの状態)させておかないと、アクセサリーソケットに電気が流れないように設計されていますので注意しましょう。

使う時はアクセサリーソケットへプラグを挿すだけでOK!

電源が入ると「120W」と書いてある付近が淡く光り、ファンの回転音が聞こえるようになる
「DC/ACインバーター 120W」はAC100V端子のほかにUSB端子も装備!
最近はスマホなどを充電できるUSB端子を装備したクルマが増えてきましたが、大人数で乗ると端子が足りないことがあります。「DC/ACインバーター 120W」にはAC100V端子のほか、USB端子が2個付いているので、いざというときはとても頼りになる存在。容量もMAX2.4Aとなっているので、ほとんどのスマホならば問題なく充電できます。

「DC/ACインバーター 120W NO.2802」にはAC100V1口とUSB端子2個が装備されている。どちらも最初は接続機器の電源を切ったうえでケーブルを挿すと安全に動作する
AC100V端子のおかげでノートパソコンも安心して使用できる
ノートパソコンや子どもが使うゲーム機はバッテリーを搭載しているので、少しの間ならばACアダプターを使う必要はありません。しかし、長時間使用する場合やバッテリー残量が少ない場合はACアダプターのお世話になるので、やはり「DC/ACインバーター」があると、とても重宝します。
そこで今回は、実際にクルマにノートパソコンを持ち込んで「DC/ACインバーター」のAC100V端子にACアダプターを挿してみましたが、問題なく動作しました。ただし、「DC/ACインバーター」には冷却ファンが内蔵されていて、使用中はずっと回っているので、音が気になる場合は本体を足元に置くなど遠ざけて使うと良いでしょう。
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購入時は使用する機器の容量チェックを忘れずに!
今回使用したノートパソコンのACアダプターは、「100V/1.3A」という規格なので、電力は最大で130W消費する計算。「DC/ACインバーター 120W NO.2802」の最大出力は150Wなので、供給できる容量(ワット数)は許容範囲内でしたが、容量オーバーになるとDC/ACインバーターが停止したり、ヒューズが切れてしてしまうことがあります。
また、「DC/ACインバーター」はエンジンを始動した状態で使用するものですが、アイドリング時に電力消費の多い機器を接続する場合は出力が不足することもあるので要注意です。したがって「DC/ACインバーター」は、“走行時にACアダプターを挿して機器のバッテリーを充電する”という使い方が現実的。
「DC/ACインバーター」には、さまざまなタイプ・容量の製品があるので、購入する際は使用したい機器の容量をあらかじめ調べて、マッチした製品を選ぶようにしましょう。

クルマの使い方も移動だけでなく、快適な空間として過ごす人が増えてきています。そのような方には、クルマの中で家庭用コンセント(AC100V)を使えるのはとても便利なのでおすすめです。
