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公開:2024.1.29

冬場に起こりやすいクルマのトラブルとは? トラブルの種類と安全運転するためのアイテム

本格的なウインターシーズンを迎えると、クルマはバッテリーがあがったり、雪道や凍結路面でスリップしそうになったり、大雪でその場で立ち往生したり、冬ならではのトラブルが起きやすくなります。これらのリスクを少しでも減らすためには、事前のチェックや準備が欠かせません。ここでは冬場に起こりやすいクルマのトラブルの種類や、安全に運転するためのアイテムをご紹介します。

目次

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冬場のトラブルでもっとも多いのはバッテリーあがり!

JAF(日本自動車連盟)が公表している「ロードサービス救援データ」では、2022年~2023年の年末年始に最も多かったトラブルは“過放電バッテリー(バッテリーあがり)”で、3位は“破損 / 劣化バッテリー”。このことから、冬場のトラブルの約50%がバッテリーに関係しているということがわかります。

このような冬場に起こりやすいクルマのトラブルについて、その原因や安全に運転するためのアイテムをご紹介します。

■ バッテリーあがり

バッテリーは、低温になると性能が低下する傾向があって、氷点下になる地域では、気温が25℃の状態と比べて性能が75%まで落ちるといわれています。また、バッテリーの寿命は通常2~3年程度であり冬場に劣化したバッテリーを使っていると、最悪の場合はバッテリーがあがってエンジンがかからなくなる可能性があります。

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予防策としては、バッテリーを使用して2年以上経ったらカー用品店などでこまめにチェックをしてもらうこと。もし弱っていると診断された場合は、新しいバッテリーに交換した方がよいでしょう。また、もしものときの備えとしてジャンプスターターがあるとバッテリー上がりにその場で対処できます。

ちなみに、オートバックスではバッテリーの無料安全点検を実施しているので、近くの店舗へ問い合わせてみましょう。

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写真のジャンプスターターならば自力でバッテリーあがりを解決可能。冬場に限らずオールシーズンで活躍するアイテムです

■ タイヤの空気圧不足によるパンクやバースト

空気は、気温が高いときは体積が膨張して低いときは収縮する特徴があるので、気温の低い冬場は、タイヤの空気圧が低下しやすくなります。空気圧が低いまた、気温が下がるとゴムの伸縮性も低下するので、表面のひび割れや摩耗などにも気をつけましょう。

また、雪道を走行するときにはスタッドレスタイヤを装着すると思いますが、普通のタイヤ(夏タイヤ)と比べると摩耗しやすいため、使用前は適正空気圧に加え、ひび割れや摩耗などのタイヤの状態をチェックすることが大切です。

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冬場はタイヤのトラブルが増える季節。いつもより念入りなチェックを心がけましょう

■ 側溝などへの落輪や落込

みなさんは、雪道や凍結路面でタイヤが滑ってヒヤッとした経験はありませんか? 雪道や凍結路面では、意図せずタイヤがスリップして落輪や落込することがあり、これも冬に起こりやすいトラブルのひとつです。また、雪が積もっていると車道のセンターラインや路肩の位置がわかりづらくなるので、無意識に左に寄り過ぎたり、対向車を避けた拍子に誤って側溝へ落輪するケースもあります。

 

路面に雪が積もっていたり、凍結した際は、スタッドレスタイヤやチェーンを装着したうえで、先行車との車間距離を長めにとり、急なハンドル操作やブレーキ操作を控えることが肝要です。万一、落輪してしまうことがあったら、JAFや加入している自動車保険のロードサービスへ救援要請をしましょう。

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■ 窓ガラスの凍結や結露

冬場の夜間から朝方にかけては、窓ガラスの表面温度が極端に下がり、空気中の水分が凍ってガラスが凍結していることがよくあります。また、運転中に暖房を効かせて車内を暖かくしていると、車内外の気温差によりガラス部分に結露が起きやすくなります。

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フロントガラスが凍結しているときは、解氷スプレーなどで視界を確保してから走行しましょう

とりわけ、フロントガラスの凍結や結露は運転に大きな支障が出るので、解氷スプレーや・凍結防止シート、クルマのフロントガラスの曇りを除去する機能(デフロスター)を活用して、十分に視界を確保してから運転するようにしましょう。

寒い冬の朝、フロントガラスが凍ってる! 【クルマの凍結対策 & 予防法】

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掛けておくだけでフロントガラスの凍結を防止する凍結防止シート。こちらはドアミラーまでカバーするタイプです

■ ウインドウォッシャー液の凍結

雪や泥で汚れた道路を走行する際、フロントガラスの視界を確保するためにウインドウォッシャーを多用することもあるでしょう。そのため冬場はいつもよりこまめに液量をチェックし、常に満タンにしておくよう心がけましょう。

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また、ウインドウォッシャー液は、気温が氷点下になると凍って噴射できなくなることがあるので、冬場は、寒冷地専用のウインドウォッシャー液を使用しましょう。

■ 融雪剤による車体のサビ

寒冷地では、道路が凍結しそうな日は道路に融雪剤がまかれることがあります。融雪剤は塩分を含んでいるので、車体に付着したままにするとサビができる可能性があります。通常、融雪剤は水で洗い流すのは難しいのですが、事前に車体のコーティングやワックスをかけておくと、水洗いで簡単に落とすことができるので、施工しておくと安心です。

同様に、車体の下部分や足回りに融雪剤が付いたままだとサビの原因になるので、コイン洗車場の高圧洗浄機やホットシャワーなどの温水できれいに洗い流しておきましょう。

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洗車機の中には下部洗浄機能を装備しているタイプもあるので、車体の下回りや足回りに付いた融雪剤の除去には有効です

そのほか、冬場の車内に備えておきたいアイテム

気温が低く、道路の降雪や凍結が予想される冬場は、クルマにさまざまなトラブルが起こる可能性があります。立ち往生などで長時間車内で過ごすことになった場合なども想定しておき、毛布やブランケット使い捨てカイロなどの防寒対策や、飲み水・食料・携帯トイレなどの備えに加え、スコップや軍手などの車外作業もできる準備があるととても安心ですね。

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風雪などで立往生したときなどに便利な携帯トイレ。ロングドライブのときに便利なグッズなので、車内に常備しておけば安心です

今回は、冬場に起こりやすいクルマのトラブルの種類と対応策などをご紹介しました。これらのトラブルを未然に防いだり、万一トラブルが起きたときに困らないようにするには、事前の備えをしておくことが重要です。加えて、出かけるときは燃料を満タンにしておくことも大切です。ここで紹介したことを生かして、冬場も安心・安全にドライブを楽しみましょう。

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