心を奪われた黄色いチンク。輝きはじめたわたしの日常
今回お話を伺ったのは、Instagramで「#旅の思い出とクルマ」とともに、黄色のフィアット500(チンクエチェント。以下、チンク)と四季の風景を投稿しているmaki500_fiaさん。暮らしとくるまでも、そのすてきな写真は、何度もご紹介しています。 かつてはクルマを移動手段と考えていたmaki500_fiaさんですが、チンクとの出会いをきっかけに、その価値観は大きく変わりました。運転に慣れるために始めた“写活”は、いつしか季節の彩りを探す喜びへと広がっていきました。チンクとの出会い、そして写真とドライブで紡ぐ日々について伺いました。
目次
心が動くデザイン。チンクとの運命的な出会い
―黄色が印象的なチンクですが、乗り始めたきっかけを教えてください。
もともと私は、“クルマ=通勤の足”という感覚で、それほどクルマに興味はありませんでした。当時は軽自動車に乗っていて、特に不満はなかったんです。
転機となったのは、クルマ好きが多い職場環境でした。同僚や上司が輸入車に乗っていて、軽自動車の車検のタイミングで「次は輸入車にしてみたら? 」と、強めにおすすめされて(笑)。
―周り人のすすめがきっかけだったのですね。そこからどうやってチンクにたどり着いたのですか?
小さいころ、親に買ってもらったクラシックカーのミニカーの影響で、丸くてかわいいフォルムのクルマが好きだったことを思い出したんです。その話をしたところ、会社の後輩がネットで見つけてくれたのがチンクでした。
それまで車種名すら知らなかったのですが、画面で見た瞬間に「これだ! 」って。丸くて愛らしいデザインのクルマに、子どものころ惹かれていた形が重なり、一目で心を奪われました。
悩んだ末に選んだ納得の黄色
―軽自動車から輸入車への乗り換えとなりましたが、不安はありませんでしたか?
正直、すごくありました。クルマに詳しくないけど大丈夫かな、壊れたりしないかな……とか。でもまた同僚に「最初で最後かもしれないし、一度くらい乗ってみたら? 」なんて冗談交じりに言われたんです(笑)。いろいろと不安はあったものの、とりあえずディーラーへ行くことにしました。
クルマの色も、最初はミントグリーンやイタリアらしい赤色を考えていたんです。
左側がミントグリーンのチンク
カラフルなラインアップも、チンクの大きな魅力
―そこから、どうして今の黄色に決めたのですか?
実際にディーラーでクルマを見たとき、展示されていた黄色のチンクがあまりにかわいくて衝撃を受けたんです。
でも、はじめに考えていた色とは違ったので、ちょっと派手かなとしばらく悩んでいました。そこでまた、会社の後輩が街で黄色いチンクを見た話を聞いて、意外といいのかなと思いはじめて、結果、無事に私のもとへ黄色いチンクがやってきました。
納車後すぐの御祈祷にて。巫女さんの衣装とチンクの黄色がリンクして、納車を祝福しているかのよう
走るほどに好きになる、チンクとの写活
―チンクと写真を撮りはじめたきっかけは何だったのでしょうか?
不慣れな運転に慣れるためにはじめたのがきっかけです。実はチンクに乗りはじめたころ、運転がうまくいかなくて……。
会社で同僚に相談したら、「用がなくてもいいから、週末、どこかに運転で出かけてみたら? 」とアドバイスをもらい、ちょうど香川でひまわりが咲く季節だったので、運転の練習がてら撮影に行くことにしたんです。
―それが初めての写活だったのですね。
はい、そうです。でも、いざ着いてみたら、ひまわりは全部地面を向いていて。ちょっと行くタイミングが遅かったみたいです。だから、そのときの写真はないんですよ。
ひまわり畑からの帰り道、思いがけず出会った絶景
でも、その撮れなかった悔しさが残って、「次はもっといい景色を、この子と一緒に撮りたい! 」と思うようになりました。それが私の写活のはじまりです。
リベンジを果たした、満開のひまわり畑との一枚
チンクが一番かわいく見える瞬間を捉えて
―写真を撮る際、大切にしているこだわりはありますか?
チンクは、丸い目とこんもりとしたフォルムが魅力なので、とにかくかわいく見えるように! ただそれだけを意識しています。
ー特にお気に入りの構図はありますか?
季節のお花とチンクを一緒に撮るのが好きです。
クルマ好きな方の多くは、クルマに焦点を当てて撮影すると思うのですが、お花は基本的にクルマより小さいので、クルマを前面にしてしまうと、何のお花かわかりにくくなりますよね。だから、私はお花を前に配置して、チンクを後ろに撮っています。
この撮り方が「人とは違う、私らしい一枚」につながっているのかなと思います。
忘れられない、黄金色のすすきが揺れる高原
―いろいろな場所で写活をされていると思いますが、これまで訪れた場所で、特に心に残っている景色を教えてください。
徳島県と愛媛県にまたがる「塩塚高原」のすすきですね。あのときは、高原へ向かう道を進んでいくと視界が急に開けて、一面にすすきの高原が広がりました。山全体が全部すすきって、こんなにきれいなんだと驚きました。
かわいい相棒! フィアットのある風景 | 暮らしとくるまでも紹介した一枚
すすきって白いイメージだと思いますが、それが風に揺れたり、光に当たったりすると、白かシルバーか、はたまた金色みたいな……とても不思議な色なんですよ。だから私はそれ以来、すすきの高原がとても気に入ってしまいました。
クルマ好きじゃない人にも、「ドライブで一度は行ってみてほしい」と、みんなにおすすめしている場所です。
―光の加減で表情が変わる、すてきな場所ですね。
そうなんです。カメラ好きの方は夕暮れを狙って行く場所だそうです。ただ、山道なので、夜の真っ暗な道を運転するのが怖くて、まだ行けていないんです。でも、いつか夕日に照らされてキラキラ光る、すすきの景色にも挑戦してみたいと思っています。
チンクが広げてくれた新しい世界
―チンクとの生活で、ご自身の生活に変化はありましたか?
「変化しまくっている」かもしれませんね(笑)。私が写真を撮るときは、クルマがモデルなので、チンクが入れる場所をひたすら探すようになり、「片道2時間なら行ける! 」とまで思えるくらい行動範囲がぐっと広がりました。
写活も、最初はスマートフォンで撮影していましたが、星と一緒にチンクを撮りたくなって、本格的なカメラを購入し、気づけば2台目まで購入していました(笑)
愛用のカメラで撮影した天の川と流れ星の奇跡のショット
チンクとの出会いは、仕事以外の時間に楽しみを見つけるきっかけになりました。写活だけでなく、同じクルマに乗る仲間とも出会い、一緒にドライブを楽しんだり、情報を交換したり。こうした関わりのなかで、趣味の幅も少しずつ広がっていったように感じています。
ガソリン代はかかりますけど、それ以上に得られるものの方が大きくて。
「いい趣味に出会えたな」と感じています。
チンク仲間とのツーリング
写真を撮るときに、ペットや自分の子どもをモデルにする方はたくさんいらっしゃると思いますが、私にとってチンクはまさにそんな存在。すてきな場所に一緒におでかけしたいという感覚です。
黄色いチンクと、明日もその先も
最初は、不慣れな運転を克服するために始めたドライブ。 今では、「今日はどんな景色に出会えるだろう」と、胸を弾ませながらハンドルを握るようになりました。その時間は、maki500_fiaさんにとってかけがえのない日常の楽しみになっています。
光で輝くすすきの高原や、視界いっぱいに広がる菜の花畑。
チンクと訪れる場所が増えるたびに、maki500_fiaさんの世界も少しずつ広がっていきます。
これからも新しい景色を求めて——きっとこの黄色いチンクが連れて行ってくれるはずです。
