pixta_76215192_M

公開:2020.8.12
更新:2022.9.16

【私にもできる! 日常点検の基本】 エンジンルームの点検

大好きな愛車は綺麗にしておくだけではなく、日ごろからマメにメンテナンスをしておくと調子を崩すことなく、いつも機嫌よく走ってくれます。前回は、日常点検の最初のステップとして「ボンネットの開け方・閉め方」を紹介しましたので、いよいよエンジンルーム内の日常点検についてお伝えします。ここでは一般に広く普及しているガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車のチェック方法についてマスターしましょう。クルマに詳しくない方こそ日常点検をしてメンテナンスの時期を把握しておけば、トラブルを未然に防ぐことができるかもしれません。

目次

エンジンルーム内の日常点検のポイントは、たったの5つ!

最近のクルマは、あまり故障しなくなったせいか、ベテランドライバーといえども、つい日常点検をなおざりにしがちです。クルマも人の身体と同じように季節の変わり目は調子を崩すことが多く、とりわけ気温や湿度が高い梅雨から夏場にかけてはトラブルが発生しやすい時期。いつも安全快適なドライブができるように、定期的に日常点検を行って事前にトラブルを回避しましょう。

 

前回のおさらいになりますが、エンジンルームの点検項目はこの5つ。はじめはちょっとハードルが高そうに感じるかもしれませんが、“日常”点検というだけあって、慣れてしまえばクルマに詳しくない方でも簡単に行うことができます。

1. ウインドウォッシャー液の量
2. 冷却水の量
3. ブレーキ液の量
4. エンジンオイルの量
5. バッテリー液の量

まずは、どこにどの装置があるのか覚えよう!

運転前もしくはエンジンを切ってしばらくしてから、ボンネットを開けてみましょう。エンジンルームを見てみると何だかごちゃごちゃしていて、どこにどの装置が付いているのか分からない方が多いと思います。

 

そこで、まずは点検する装置がどこにあって、どのような形をしているのか把握することにしましょう。

エンジンルームで点検しなければならない装置の位置や形は、メーカーや車種などによって異なりますが、点検する装置はガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車のいずれであっても、どこかに付いています。ただし、EV(電気自動車)は構造がまったく異なるので、今回は除外します。

エンジンルーム2

(左)ジムニーのガソリンエンジン、(右)プリウスPHVのハイブリッドエンジン。エンジンの種類は違っても点検する装置は同じようにどこかにある

下図は点検する装置の配置例を示したものです。

エンジンはエンジンルームの中央にあり、その近くに「エンジンオイルの量を計るレベルゲージ」、運転席の前あたりに「ブレーキ液を入れるリザーバータンク」、前方のどちらかに「冷却水を入れるリザーバータンク」と「ウインドウォッシャー液を入れるタンク」が配置されているのが一般的。

 

前述の通り、点検する装置の位置や形はメーカーや車種などによって異なりますが、おおかたこんな感じだと覚えておいてください。

エンジンルーム3

出典:自動車点検整備推進協議会

それでは各装置の特徴と注意点を見ていきましょう。大切なのは、点検をしてどういう状態になったらメンテナンスが必要なのか知っておくことです。詳しくないうちは、実際の補充などのメンテナンスはプロに任せてしまいましょう。

1. ウインドウォッシャー液の量 ⇒ ウインドウォッシャータンク

ウィンドウォッシャータンク

半透明のプラスチック製容器の中に水色のウォッシャー液が入っていて、キャップに「噴水のようなマーク」が書かれているところが特徴。冷却水のリザーバータンクも同じような形をしているので、間違えないように注意しましょう。上から見て半分くらいまで減っているならば補充の時期です。

ウォッシャー液の交換をもっと詳しく ⇒ ウォッシャー液を交換して、クルマの窓ガラスに極上の輝きを

2. 冷却水の量 ⇒ 冷却水リザーバータンク

冷却数リバータンク

ウインドウォッシャータンクと同じように、半透明のプラスチック製容器の中に赤色や緑色の冷却水が入っていて、キャップに「冷却水」とか「COOLANT(クーラント)」などと書かれています。容器だけではウインドウォッシャータンクと見分けが付きにくいので、キャップの文字を見て判断するようにしましょう。こちらは目印の位置まで冷却水が入っているか確認します。

3. ブレーキ液の量 ⇒ ブレーキ液リザーバータンク

ブレーキ液リザーバータンク

ブレーキ液のリザーバータンクも半透明のプラスチック製容器ですが、運転席の目の前にあるので、すぐにわかるはずです。こちらもキャンプに「BRAKE FLUID(ブレーキフルード)」などと書かれていて、目印の位置までブレーキ液が入っていることを確認します。

4. エンジンオイルの量 ⇒ エンジンオイルレベルゲージ

エンジンオイルレベルゲージ

エンジンオイルの量や汚れを確認するためのゲージで、通常は頭が黄色やオレンジ色の輪っかになっています。輪っかを引っ張ると金属製の長いゲージが出てくるので、先端に刻まれている目盛りで量を確認し、同時に色で汚れ具合を確認します。

オイル点検

点検するときはレベルゲージ先端のオイルが垂れないように、あらかじめウエスやキッチンペーパーを用意しておき、終わったらオイルを拭きとって元の位置にしっかり挿します。

オイル点検をもっと詳しく ⇒ メンテナンス初心者も気軽にできる「オイル点検」の方法

5. バッテリー液の量 ⇒ バッテリー液

バッテリー

バッテリーは直方形をしていて、上部にバッテリー液補充用のキャップが6個と「+」と「-」の大きな端子が付いているところが特徴。側面を覗いてみて、目印の位置までバッテリー液が入っていないときは補充や点検が必要です。ただし、全体が黒色で上部に補充用キャップが付いていないバッテリーは、バッテリー液を補充する必要のないメンテナンスフリータイプです。また、まれに端子の部分に白や青の粉状のものがついているようなら、バッテリートラブルのサインかも知れません。決して触らずに、早めにプロに点検を依頼しましょう。

バッテリーの基本をもっと詳しく ⇒ 縁の下の力持ち?! バッテリーの基本

適切なタイミングで愛車の点検をしよう

今回は、日常点検の中でもエンジンルーム内のチェック方法について紹介しましたが、メンテナンスが必要な状態かどうかを把握することが重要です。

 

この記事をシェア